やっとコロナが下火になってきた今日この頃ですが、
花粉と黄砂の飛来が悩ましい季節が続いています。
オートバイに乗ると、その飛来物を吸い込みやすくなるようで、
大型自動二輪の教習を受けている最中に花粉症が出て困っていました。
そんな中でも、熱心に教えてくれる先生に感謝しながら、
苦手な一本橋で失敗しても、「自分の機嫌を自分でとって」、
一生懸命笑顔で練習していました。
さて、今回のテーマは、
海外バイクツーリング冒険記フランス編7
『イタリアの山岳を越えて…地中海の楽園モナコへ(その1)』
~自分の機嫌を自分でとる方法~
是非、お読みください!!
(‘◇’)ゞ
「不定期連載」の海外バイクツーリング冒険記…
…今年7回目となる「連載」の続きをお届けしますm(__)m
(この冒険記は1986年当時の日記とアルバムを基にした書き起こしです)
1986年9月7日
スイスのエンデューロチーム「4TAKT TEAM BASEL LAND」
のメンバーと親しくなり、一緒のキャンプで過ごすようになって5日目。
今日から3日間、キャンプを張っているフランスのブリアンソンを出発して、
イタリアの山岳地帯のオフロードを超えて、
地中海沿いのモンテカルロ(モナコ)への小旅行に出かけることになった。
チームのオスキーが地図を睨みながら、コースを考えてくれたのだ。
あまり英語の得意じゃないオスキーは、
いつも僕に向かって笑顔で「SUPER!(^_-)」と声をかけてくれる。
自分一人では考えることはもちろん、走破することもできないと思う
まさに「スーパーなコース」だ!
今日は早朝8時に起きて、街のカフェに直行。
いつもより早いスタートだ。
数々のワインディングロードを通って、
Col d’ Izoard (イゾアール峠) から 、
Château Queyras(シャトー・ヴィル・ヴィエイユ)へ
そこでなんとトラブル発生。
マイケルのKTM600のエンジンから
「バウン…カラカラギー」という異音がする。多分ミッションの故障だ。
相談の結果、途中で壊れて動かなくなったときに牽引できるように、
ウイニーが山の頂上まで一緒に行って、
その後、マイケルはキャンプまでの下り道を、エンジンを止めて
転がして下っていくという作戦になった。
マイケルはキャンプに戻って自力で修理するそうで、
残念ながら今回の小旅行はリタイアだ。
僕らはマイケルを送っていったウイニーが戻ってくるまで
レストランでのんびり待っていた。
やっとウイニーが戻ってきたので、
オフロードを通って山頂へ!
頂上について待っていたが、今度はウイニーとピートが来ない!!
なんとピートのYAMAHA TT600がパンク!
パンクの程度は最悪。
一度修理しても、また空気が抜けてしまった。
ピートは諦めて、パンクしたまま40~50キロにスピードを落として
移動することになった。
スーパーテクニックの持ち主ピートでも、
ヨレヨレのパンクしたタイヤでは、さすがに危なっかしい走りになってしまう。
しばらくして見つけた、自動車のルノーの販売店の駐車場で、
車用のチューブを使って修理しようと試みたりしていたら、
なんとイタリア人のオフロードバイク乗り、ルシアンさんが声をかけてきてくれた!
なんと、バイク用のニューチューブを持っているから、譲ってくれると言う!
オスキーが車に乗せてもらって、一緒に取りに行き、
ミシュランの新品のチューブを2本持って帰ってきた!
パンクした後、ピートは「Today is not my day」と言ってがっかりしていたけど、
イタリアのクロスライダーの「Good Friendship だ!」とニッコリと笑って、
すっかりご機嫌になっていた。
マシンが完璧になったころ、もう夜になっていた。
そこでピートの号令で「Lock each other作戦」と題して、
5台のバイクがはぐれないように、お互いに途中で振り返りながら、
誰かひとりでも来ていなかったら停まって待つ!
というルールでナイトランのスタートだ。
実は、オフロードランがあまりに激しいので、
みんなバックミラーは外してしまってついていないのだった(‘◇’)ゞ
フランスとイタリアの国境の街「テンダー」を目指して、
夜の山道を飛ばしていく!
夜中の「Lock each otherドライブ」は、
なんか本当にチームの一員になれた感じがして、とても嬉しかった。
しかし、舗装路とはいえ夜の道を飛ばしながら後ろを振り返るというのは、
なかなかキモが冷えるドライブだった。
国境の街テンダーに着いて、一つ星ホテルにチェックイン。
レストランでは、トラブル続きだった今日を埋め合わせようと、
みんなでステーキとワインで乾杯!
それぞれお互いの目を見て、全員と乾杯するいつものスタイルで
友情を深め合う。
お互いを大切にリスペクトしているからなのか・・・、
マイケルもピートも、
どんな不運な目にあっても、機嫌を損ねたりしない。
特に途中リタイアとなったマイケルは残念だったけど、
レストランではピートがいつもの明るさを振りまいている。
今日も、僕にとっては良い日に変わりない。
その時に考えられる最善の対策を考えて、
どうするか決断し、笑顔でベストを尽くすのみだ。
自分の機嫌は自分でとれる大人のチーム
「4TAKT TEAM BASEL LAND」は最高だ!
to be continued.