

輝かしい新年のスタートをお迎えのことと、お慶び申し上げます。
今回のテーマは、久しぶりに挑戦した、「国内での単独長距離ツーリング」です。
30数年前、20代で挑戦した海外バイクツーリングの時は、
とにかく若さが武器。体力も抵抗力にも自信があり、
周りの人々も、僕の事を学生と勘違いしたかのように応援してくれました。
今の体力気力で、長時間のしかも寒い冬のバイクツーリングに耐えられるのか?
それでも、行ってみたいという好奇心が勝り、
1月3日早朝出発しました!
今回のテーマは『行けるのか?!バイクツーリング冒険記』(天草~鹿児島編)
ぜひ、お読みください。
(‘◇’)ゞ
【冒険心がむずむずと…】
お正月、家族や親族と過ごす特別で楽しい時間。
しかし、ゆっくりしていると、なぜか冒険心がむずむずと沸いてきた。
天気予報をチェックすると、1月3日・4日は九州全域が晴れ。
寒いけど、雪や雨さえ降らなければバイクツーリングは可能だ!
佐世保⇒南島原⇒天草⇒鹿児島・指宿というコースで、バイク旅のプランを立てて家族を説得!!思い切って、旅立った。
【着過ぎたるは及ばざるがごとし】( ;∀;)
1月3日の早朝、遠足に行く子供のように早朝6時前には目が覚めた。
防寒装備を万全にと、思いっきり着込んだ。
まず、ヘルメットの下に、スキー用の防寒目出し帽をかぶってみたけど、頭が圧迫され、窮屈でとても耐えられず断念!
普段は、ヒート○○○のような化学合成下着は苦手で、着用しないのだが、今回は、冬のバイクツーリングの寒さに備えて、登山用の防寒下着を着込んだ上に、タートルネック+ブレストガード+フリース+ダウン+防水ウインドブレーカーという厚着をして、7時30分出発。
しかしこれが大失敗。
寒くはないが、ヘルメットのスクリーンが曇ってしまうほど、違和感のある暑さだ。
発熱素材独特の不自然な暑さと、着込みすぎによる圧迫感で具合が悪くなり、出発して10分も持たず日宇駅前でUターン。
これで、「本当に長距離バイクツーリングができるのか?」と不安になってしまった。
とにかく、一度自宅に戻り、少しベッドに横になって休憩。
化学合成下着を脱ぎ、圧迫感のないように整え直し、再度出発したのは8時30分。
少しだけ顔と手先が寒く感じるけど、これで十分温かい。
しばらく大村湾沿いにバイクを走らせてみて、今度は「大丈夫!」と確信。
諫早インターから島原方面に向かう道は、バイパスがどんどん部分開通して延伸中。
60分ほど走って、諫早のマクドナルドでモーニング休憩。いつも以上にマフィンが美味しく感じた。
【バイク&フェリーで島を旅する】
次の目標地は、南島原と天草を結ぶフェリーだ。
快晴の爽やかな朝、千々石湾(ちぢわわん)を見下ろしながら、小浜温泉に向かう道は最高に気持ちいい。
小浜を通過し、島原半島を反時計回りに最南端を目指す。
口之津の島鉄フェリー乗り場に到着したのは11時半前。
係員さんに聞くと、幸運にも11時45分のフェリーに乗れるとのこと!
続々と積まれていく車。バイクの搭載は最後だ。
船員さんが、手慣れたテクニックでバイクを船に固定してくれる。
約30分の船旅で到着したのは、天草市の鬼池港。
天草を南下し、道の駅「宮地岳かかしの里」でランチタイムだ。
ここは、廃校となった小学校を、道の駅として再生した所。
そば団子汁の定食が旨かった。
天草の最南端、牛深からもう一回フェリーに乗れば、鹿児島県だ。
牛深の港には、立派で大きな「牛深ハイヤ大橋」が架かっている。
この橋で、九州本島に渡れるわけではないけど、デザインがとても美しい。
ここで、指宿で会えたら嬉しいなと思っていた「元月刊ならでわ編集長マナティ」と連絡が取れて、会えることが確定!お土産に天草のラーメンを調達。
15時20分発の牛深フェリーに乗船。所要時間は約30分だ。
今度は、バイクを最初に搭載すると案内され、5台のバイクが連なって乗り込んだ。
こちらのフェリーの中では、箱根マラソンが中継されていた。
フェリーの中で購入した珈琲を、空になった水筒に移し替えてみた。
ずっと温かい状態で楽しめて良かった。快適な船旅はあっという間だった。
【懐かしい再会@鹿児島・指宿市】
船が着いた「長島」から「鹿児島」までが、思ったより遠かった。
途中道の反対側に、小さなガソリンスタンドを2軒ほど見かけたが、まだ行けるだろうとそのまま走り続けた。するといつの間にか「南九州西回り自動車道」に入り込み、ガソリンスタンドは見つかる様子もなかった。
鹿児島市に着いた頃、とうとう暗くなってきた。ガソリンタンクは、最後のメモリに達してしまい、一度自動車専用道を降りて、給油兼休憩をとることにした。暗くなったら気温が急低下。昼間は10度以上あったのに、7~8度になり、手先が冷たくなる。
市内のガソリンスタンドでやっと給油。タンクを満タンにし、お腹には温かい「缶しるこ」を流し込んで暖を取った。
ラストスパートで、指宿スカイラインを南下。途中で海沿いの国道226号線に出て、薩摩半島南端の指宿市に到着した。
出発前お正月にネットで予約した「指宿いわさきホテル」にチェックイン。バイクは、屋下の安全な場所に停めさせてもらって安心だ。
夕食は、元ならでわ編集長マナティが予約してくれた居酒屋「あい福」へ。
ハンドルキーパーとして、車で迎えに来てくれて感謝しかない!
「あい福」で半年ぶりに再会した彼女は、とても元気そうだった。旦那様は移住してきて直ぐに鹿児島市に職を得て、間を置かず働き始めたそうだが、彼女はゆっくり人生の充電をしている様子だった。
鹿児島の名物料理を楽しみつつ、大好きな青森の銘酒「田酒」をメニューに発見。これには個人的に大満足。河童のデザインのかわいい徳利が印象的だった。
そこで、明日のオススメの目的地をマナティに相談。一つ目は「番所鼻から見る開聞岳」。二か所目は「知覧特攻平和会館」に定めた。
楽しい指宿の夜は、あっという間に時間が過ぎた。早めにホテルに送ってもらい、指宿の温泉で寛いで、ゆっくりと休むことができた。
【1月4日、開聞岳に別れを告げた少年飛行兵に想いを寄せる】
早朝6時30分に目が覚めて、温泉の朝風呂を楽しむ。
朝陽が海の向こうの山の稜線に昇る前、空がオレンジ色に焼けているトワイライトの時間の露天風呂。
最高の時間だった。
ホテルの朝食バイキングで、栄養を採り、さらにカレーでパワーを増強。
ゆっくり整えて、朝9時30分に出発だ。
最初の目的地「番所鼻」に向かう途中。
正面に「順光」に照らされ輝く「開聞岳」を眺めながら、快適なツーリングを楽しんだ。
「番所鼻」から見る「開聞岳」は「逆光」に輝いていたが、これもまた美しかった。
そこから、携帯のナビゲーションを聴きながら「知覧」を目指す。
「知覧特攻平和会館」で入場料500円に加えて、音声ガイドのタブレットを200円でレンタル。受付の女性がとても親切に使い方をレクチャーしてくれた。こういう場面も、旅の良い「ひとコマ」になる。
この会館には、海から引き揚げられた戦闘機「ゼロ戦」や、「隼」が展示されるとともに、特攻で殉死された多くの若い飛行兵の方々の遺影と、遺書が保管展示されている。涙無くしては見る事のできない悲しい歴史が、平和を願うように展示されている。音声ガイドは、この場所の見学にとても役にたった。
知覧を出発する前に、土産物店の店先で、知覧茶を試飲提供しながら販売している女性と目が合い、温かいお茶を試飲させてもらった。バイク用のブーツですぐ分かるのか、バイクという乗り物にのっていると、なぜか応援してもらえるムードになる。
「知覧茶を1パック購入するから、試飲用のお茶を水筒に入れてくれませんか?」とちゃっかり交渉すると、笑顔でOK!(^_-)-☆
なんとお茶の葉を新しく入れ換えて、美味しいお茶を水筒に入れてくれた!
帰路は「九州自動車道」で高速移動することを選んだ。
知覧からは「指宿スカイライン」そのまま「九州自動車道」に接続しているから、移動はスムーズだ。お昼過ぎに「桜島サービスエリア」に寄ってランチタイム。バイクのタンクも満タンにして、親子丼でエネルギーチャージだ。
高速を北上している間、日中は晴れていて温度も10度前後だった。しかし、バイクのスピードが高速だと、指先が冷たくなるスピードも早くなる。
妻にプレゼントしてもらった「最新設計の冬用バイク専用手袋」のおかげで、なんとか耐えることは出来て、バイクを操作はできる。しかし、それでも寒いものは寒い!
1時間に1回程度の休憩を取りながら北上を続けた。途中で出会った僕のバイクと同種の「アドベンチャーバイク」は、クラシックなデザインの「初期型HONDAアフリカツイン」、さらにフルパニア装備の「最新型HONDAアフリカツイン」。どちらも僕と同じような超ベテランライダーだった。
僕のバイク「YAMAHA TENERE700」も、優れた設計で、高速移動も楽にこなしてくれる。しかし、バイクでの高速移動は、風との闘いで、寒さと振動のガマン大会のようなものだ。
ツーリングには、初日に選んだ、「地方の一般道路」+「フェリー」のコースが、旅として格段に楽しい。そして、旅での出会いや会話を楽しむ余裕がある。
福岡まで戻ったところで、少し雨に降られたが、完全装備の僕は、全く問題なかった。
佐賀県伊万里市を通過中には、気温2度まで下がっていた。さすがに手先が冷たくなり、伊万里のマクドナルドで最後の休憩地としてカフェオレで暖をとった。冬の長距離ツーリングで初日約350㎞、2日目約450㎞、合計約800㎞の旅は、最新保温装備のおかげで、なんとか無事に完遂することができた。
出発前に、一度は、正直言って冬のバイクツーリングに「今の僕の体力や、精神力が耐えられるのか?」と不安になっていた。しかし、一度着心地を調整するために自宅に戻って、着直して整えて復活。2度目にスタートしてからは、「今の僕にも、まだまだ行ける!」という確信と、旅を続ける気力が育ってきた。
最高の2日間の旅を味わった新年。やっぱりバイクの旅は最高だ!
今年も、仕事もプライベートも、エネルギッシュに走り出したいと、決意を新たにしております。本年も、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。