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『夢の「円高」海外ツーリング』

1986年、僕が東京で暮らしていた26歳の時、

佐世保にUターンする前に、今しかできないことをやろう!と

ヨーロッパと北アフリカへのオートバイ単独ツーリングに挑戦しました。

 

しまい込んでいた当時の旅日記を見返してみると、

出発の前年の「プラザ合意」で、

為替相場の「円高・ドル安」誘導がはじまり、

1ドル235円前後だった相場が、

僕が出発した1986年夏の円相場は、1ドル157円前後になっていました。

 

今、日本では、まったく逆の動き「円安」が進行しています。

この「円安」で佐世保@日本はどうなっていくのでしょう?

 

さて、今回のテーマは、

『夢の「円高」海外ツーリング』

 

ぜひ、お読みください。

(‘◇’)ゞ

 

海外バイクツーリングに挑戦する僕にとっては、

1986年の「円高」というのは、超ラッキーな出来事だったのです。

 

当時はアナログの時代なので、ほとんどのお金を

「日本円のトラベラーズチェック」で持って行ったのですが、

オートバイを購入したオランダのバイク屋さんや、保険屋さんから、

「今、日本円は強くなっている、君はラッキーボーイだ」といわれ、

円の信用と同時に、日本人の僕まで信用してもらえた感じで、

本当にありがたかったのを覚えています。

 

当時のオランダの通貨はまだ「ユーロ」ではなく、「ダッチギルダ」でした。

「ギルダ」に対しても日々「円高」に振れていて、

大切な旅の相棒「オートバイ」はもちろん、色んなモノを安く買えた嬉しさが、

僕の日記ににじみ出ています。

 

アムステルダム駅で見つけたオランダのオートバイ雑誌の広告をたよりに、

トラム(電車)でバイク屋さんを2軒訪ねました。

 

そこで、カッコいいと目に留まったのは、

「ハスクバーナ」などのヨーロッパメーカーのオフロードバイクです。

しかし、単独でヨーロッパから北アフリカまで、

しかもオフロードを含む、田舎や山道を旅するのが目的でしたから、

「故障の少ない日本製のバイク」に絞って選びました。

 

ホンダ製XL600R(5000キロ走った中古)6250ギルダにも魅力を感じましたが、

やはり、故障の心配もあり見送り!

 

ヤマハ製XT350(新車)6899ギルダに絞って交渉し、

値引きしてもらって6500ギルダ(44万円ほど)で購入。

さらに、約3か月後、壊さず帰ってきたら、3000~4000ギルダ(20万~27万)で

買い取ってもらう約束をして旅立ったという訳です。

アムステルダムのバイク屋さん「ヴァインゲルト」

 

購入した愛車ヤマハXT350号は、

オランダを一周し⇒ドイツ⇒(北欧へ)

デンマーク⇒スウェーデン⇒ノルウェー⇒デンマーク⇒

ドイツ⇒ルクセンブルグ⇒フランス⇒

(フランスを起点に、いろいろな山岳道路をツーリング)

フランスで仲良くなった、スイス人バイクチーム

ENDURO 4TAKT TEAM BASEL LANDのみなさんと山岳ツーリング!

 

スイス⇒イタリア⇒フランス⇒モンテカルロ⇒フランス⇒

(マルセイユから航路アフリカへ)

チュニジア⇒アルジェリア⇒モロッコ⇒

(モロッコから航路スペインへ)

スペイン⇒アンドラ公国⇒フランス⇒オランダ

と16000キロの旅路を共に走ってくれました。

 

 

オランダに戻ってきた時点で、

なんと帰りの航空券を購入するだけのお金は残っておらず、

バイクを売るしか帰る道はないという財政状況でした。

(チャレンジングにもスリランカ航空の格安片道切符17万円で渡航していました)

 

アムステルダムへ戻った時点で、「走行距離16000キロ」だったので、

最初は2,800ギルダ(195,000円)と値踏みされたのですが・・・

「購入してまだ3か月の新しさ」を強調して2つのバイク屋さんと交渉。

なんとか購入金額の半額である3,250ギルダ(226,000円)迄上げることに成功!

 

そのおかげで1,380ギルダ(96,000円)の

日本行キャセイパシフィックの航空券を買って、

さらにお土産も購入して無事帰国できたという訳です。

 

今、この当時のことを思い出していると、

夢のようだったのは「円高」に振れている時期だった

という事だけではありません。

 

世界が平和であること。

 

新型コロナなどの感染症パンデミックがないこと。

 

日本が世界から信頼されているという国際関係。

 

さらには、応援してくれた家族親戚や恋人(今の妻)、友人や、

仕事関係の方々など、すべてが夢のように恵まれていたのだと、

感謝の気持ちでいっぱいになります。

 

 

テレビでは毎日R国によるウクライナ侵攻のニュースが放送され、

生活そのものも、命すら失っておられる様子を見ることに

耐えられなく辛く感じておられるのは、皆さま同じだと思います。

 

平和でなければ、オートバイで海外をツーリングなんてできる訳がありません。

 

さらに日本が輸入にたよるエネルギーも、食料も、値上がりしている上に、

「円安」が加わり、とんでもない状況が目の前にせまってきました。

 

この先、さらに「円安」が進むのか、

逆転して「円高」に動くのかなんて、

誰にも正確な予測なんてできないと思います。

 

 

ところで、1986年にタイムスリップしてみると

あらためて不思議なことに気づきました。当時は、

1ドル=157円で「超円高」といわれていたのです。

 

実は今、2022年では、

1ドル=130円で「超円安」といわれているのです。

 

実際にはまだ今のほうが1986年よりも「円高」なのですが・・・。

 

問題は、「今後どっちに動いていくか」ということなのでしょうけど、

海外単独ツーリングに旅立った時のことを思い出して

日々チャレンジしていくしかないと思い直しています。

 

 

出発時の日記に書いていた、

旅の途中、僕を守ってくれた言葉を見つけました。

 

「自信をもった明るく強気な態度で

前向きにCHALLENGE」

 

この言葉どおりの態度で行動することが、

「悪い人を遠ざけて、信頼できる人を近づけてくれる」

おまじないになっていたと思います。

 

こんな時代を生きていくときには

また役に立ってくれそうです。

 

今日も、読んでくださりありがとうございました!

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