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『海外バイクツーリング冒険記アフリカ編1』 ~いざ出航!「アフリカ」への旅立ち~

九州各地が、大雨で大変な被害を受けました。

被害を受けられた方々に心からお見舞い申し上げます。

 

地球温暖化の影響なのか、僕らが若かった時代に比べると

雨も暑さも、明らかに厳しくなったと感じます。

 

今からの夏本番、バイクに乗ると熱中症になりそうな、

体温を超える暑さが続いています。

みなさまご安全にお過ごしください。m(__)m

 

不定期連載中の海外バイクツーリング冒険記も、

いよいよ「アフリカ」に渡航する日を迎えます。

 

今回のテーマは、

海外バイクツーリング冒険記アフリカ編1

~いざ出航!「アフリカ」への旅立ち~です。

 

ぜひ、お読みください!

 

(‘◇’)ゞ

 

 

(この冒険記は1986年当時の日記とアルバムを基にした書き起こしです!)

 

1986年9月17日水曜日

 

【アフリカへ向けて出港の日】

今日は、いよいよアフリカへ向けて出港の日。

フランスの港街マルセイユから、チュニジアのチュニスへ向かう

「リベルテ号」に乗船だ。

 

フェリーの出航予定時間は12:30。

しかし、集合時間は朝9:30!

だから、早朝6時起床で、キャンプ場を出発する準備が必要だ。

いつもは、明るくなった8時頃に起きる習慣だったので、

旅に出てからはじめての早起きだ。

 

まだ外は真っ暗。なのに、なんと「ピカッ!!」と西の空が光っている。

カミナリだ!!しばらくしたら雨も降りだした。

 

雨の中、荷物をまとめて、

濡れたテントをたたむなんて、最低の気分だ。

だけど、フェリーは待ってくれない。

 

勇気を振り絞ってテントたたみを決行。

そうこうしていると、空模様もだんだん僕に協力的になってきて、

出発準備完了の7:30には雨は上がってくれた。

 

 

【素敵な街Aix de Provinceと港街マルセイユ】

南フランスで連泊したキャンプ場の街「Aix de Province」は、

古い街並みと、美しい並木と、大きな噴水が印象的な素敵な場所だった。

 

マルセイユの街には、旅の準備のために

キャンプ場を起点に3日間通った。

やっと慣れてきて地理はつかめるようになってきたが、

ドイツで出会ったペイターや、スイスのマンリーから

「マルセイユは港街で都会ということもあり、犯罪も多いし、気を付けて!」

と何度も聞いていたので、その先入観のせいか、安心して寛ぐわけにいかず、

あまり落ち着いて楽しむことはできなかった。

 

とは言え、とにかく、アフリカに渡る前に、

向こうでは手に入りにくいものを揃えなければならない!

早朝のマルセイユの街でガソリンを満タンにし、

オイル交換する時間がなかったので、シェルのオイルを購入。

 

当時、トイレの習慣の違いで、アフリカでは「チリ紙」が手に入らない!

という情報を得ていたので、日本人に欠かせない大事なチリ紙を2パック購入。

さらに水と、非常用の缶詰を仕入れて準備完了だ。

 

【XT350が3台並んだ!】

~パリの素敵なカップルとの出会い~

 

予定通り9:30に、マルセイユのフェリー乗り場に到着。

J-4ゲートから、国境の待合パーキングに入った。

 

そこで、なんと、僕のバイクと全く同じ「YAMAHA XT350」に乗った、

パリから来たという素敵なご夫婦、イヴとシーシーに遭遇!

ムッシューイヴは、エルフのサラリーマン。

1か月の間「毎日12時間」ハードに働いて、

その次の一か月は「まるまる休暇」という

なんて素敵な勤務体制なのだろうという働き方。

チュニジアをはじめアフリカの事情にも詳しくて、

いろいろと教えてもらった。

マダムシーシーは、自動車教習所の先生。

とても明るくてハキハキしているけど

旦那さんのイヴにはとっても甘える、フランスの理想の女性のような人。

 

二人のバイク、お揃いのXT350は、まだ1000キロしか走っていない新車!

彼らは、2週間かけてのチュニジア一周ツーリングを計画。

バイクのヘッドランプ周りを、砂対策のためテープで保護したり、

車輪のスポークが交わった部分を、針金で縛って補強したりと、

アフリカ仕様のバイクに仕上げてある。

 

リベルテ号に乗り込むところまでは、一緒に楽しく行動させてもらっていたのだが・・・

 

ここで、想像もしていなかった「格差」を突き付けられることに!

( `―´)ノ

 

 

【船の中の格差問題!】

イヴとシーシーのチケットは豪華キャビンの「ファーストクラス」。

僕のチケットは4人部屋の「エコノミークラス」( ;∀;)

 

船の中では、出航後、ファーストクラスのフロアと、

エコノミークラスのスペースは、完全に遮断されてしまうのだ。

 

立派なバーや、船の上の甲板にも登れないし、レストランも別々だ。

ショックなほどに格差がつけてある。

しかし、ムッシューイヴが、レセプションに話をつけてくれて、

なんと、僕をイヴの客として、ファーストクラスのスペースに

入れるようにしてくれたのです!

出航した後の午後、ファーストクラスのフロアで、

二人と一緒にガイドブックや地図を見て旅について語り合い、

快適で楽しい時間を過ごさせてもらった。

 

バイクという共通の「趣味」が繋いでくれる「友情」のおかげで、

旅の幅が拡がっていくことを、感謝しながら実感した出逢いだった。

 

 

1986年9月18日木曜日 晴れ

 

【すれ違い…アフリカ上陸】

今日はいよいよアフリカ大陸に上陸だ。

とってもドキドキする!

 

午前中は、イヴとシーシーを訪ねたかったのだが、

起きたらなんと午前10時を過ぎている!

なんと12時間も寝てしまった。

 

ファーストクラスのドアを開ける人に居合わせるチャンスもなく、

残念だけど会いに行けなかった。

 

フェリーリベルテ号は、約1時間半の遅れで、

正午12時にチュニジアのチュニスに入港。

 

入国手続きは所要一時間。バイクに積んだ荷物を広げて確認されて、結構手間取った。

しかし、言葉が通じなくとも入国管理官は比較的親切だったし、

案外スムーズにいった方だと思う。

 

バイクでアフリカに上陸し、チュニスの街を走って、

アフリカの暑さを実感。

昨日までのフランスではもう寒かったのに、

それが快適だったかのような錯覚に陥る。

 

【チュニジアのレストランとホテル事情】

チュニスの街を適当にドライブして、

旧市街地の街中のレストランで「クスクス」を食した。

 

「クスクス」は、チキンライスを粉々にして、その上に結構立派な肉を具材として乗せ、

ピリピリと辛い味付けをした美味しい食べ物だった。

そして、「コカコーラ」を二杯も飲んでしまった。

 

アフリカでは、安全な飲み物を確保しないと、お腹が心配だ。

食べ物や飲み物になじみのない外国では、

安全で清潔で涼しい飲み物「コカコーラ」の存在を、とても有難く感じる。

アフリカでは、コーク=オアシスのイメージだ。

 

このレストランでは、アメリカ人の若い男性と、

イタリア人の女の子のカップルに出会った。

 

チュニジアにとって友好国のリビアを、アメリカが爆撃したため、

チュニジアではアメリカ人は嫌われているそうだ。

だから、アメリカ人の彼は、自称ドイツ人といって旅行しているそうだ。

 

彼らから、ハマメットのホテルがとても良かったと勧められ、

夕方になって思い立って、チュニスから南西65㎞の街ハマメットまでバイクを走らせ、

3つ星ホテル「パラダイス」に泊まった。

 

約2,500円で、すごくいい部屋に通された。

ツインベッドルームで、お湯の出る風呂、トイレ、キッチン、冷蔵庫もついた

広くて綺麗な部屋だ。

やっぱりチュニジアは安い!

 

さらにレストランに出かけて喜びが倍増!

とても良い雰囲気のハマメットのレストランで、

チュニジアンサラダと、分厚い肉のステーキ、そしてビール二本注文して、

たったの850円!信じられない安さだ!!

 

オイは、「チュニジアで食って食って食いまくるたい!」という心境だった。

とにかく、今日はアフリカの旅の一日目を、無事にスタートできた。

 

ホテルの部屋に戻って、冷蔵庫で冷やしておいた、

フランスとイタリアの国境で安く手に入れたバーボン「オールドクロウ」を

ミネラルウオーターと一緒に愉しんだ。

とてもリラックスできて、すごくイイ。

旅先のこんな時間って最高だ。

 

 

To be continued

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