南極海で鯨を追いかける船に乗り、
獲れたての鯨を食す!
船上から様々な氷山や南極大陸を眺め、
運が良ければオーロラを見ることもできる。
そんな冒険に行ってみたいですか?
実際に行ってきた、ドクトル太公望こと萩原博嗣さんの本
「南極海調査捕鯨 航海記」が完成しました!!
今回のテーマは、
『鯨をとりまく世界の真実を知る!』
~南極海調査捕鯨 航海記~
ぜひお読みください!
(‘◇’)ゞ
釣りは名人級、野菜は家の畑で収穫するという、
食物は自分で調達できるたくましい医師、
ドクトル太公望こと萩原博嗣さん。
2017年には、海上保安大学校の練習船の世界一周航海に、
船医として乗り込んだ体験記
「ドクトル太公望の世界周航記」を、弊社芸文堂で出版しています。
ところが2018年秋、萩原さんに一本の電話がかかってきました。
水産庁から南極海での調査捕鯨を委託されている会社「共同船舶」の関係者から、
捕鯨船母船「日新丸」に、船医として急きょ乗船して欲しいとの依頼です。
乗船する筈だった医師が出航間際にドタキャンになったので、捕鯨船団はすでに船医なしで見切り出航しています。困った挙句、偶然「世界周航記」を読んだ会社の人が「この人なら乗ってくれるかも」と思ったのだそうです。
後から給油のために南極海に向かうロシア船籍のタンカーに乗って
日新丸を追いかけていくという船旅までセットになっていました。
現実の南極海への航海は、
最初に書いたような良い事ばかり・・・のはずがありません。
南極圏に行き着くには、強風が吹荒れている「暴風圏」という魔の海域を抜けなければならず、一週間ほど大時化の海が続きます。
また、南極周辺の国々は反捕鯨国ばかりで目の敵にされる上に、シーシェパードのような反捕鯨団体との遭遇を避けるため、4か月間無寄港の航海です。
・・・というわけで、
観光とは程遠い、なかなかタフなシーマンの世界です。
しかし、著者は全く船酔いしない!という点では珍しいお医者さん。
4か月間の航海中に出会った南極海の生物や様々な氷山、垣間見た南極大陸迫力など、自然の魅力が描かれています。
そして、鯨の目視調査と、サンプル採集のために行われるクロミンク鯨の捕鯨操業の様子が、捕鯨船のブリッジから目の当たりにした迫力のままに記されています。
さらに、巻末に付録として掲載されている
「反捕鯨の構造-西欧社会における鯨のイメージ変遷-」、
「さらばIWC-国際捕鯨委員会の軌跡―」の章では、国際捕鯨委員会の捕鯨モラトリアムへの疑問や反捕鯨団体の言い分の検証など、鯨をとり巻く現実に資源保全を前提とした捕鯨擁護の立場で言及しています。
そのことについて一寸触れると、現在反捕鯨の立場をとっている西欧社会の国々も、
つい60年ほど前までは「鯨油」獲得のために南極海捕鯨を盛んに行っていました。
19世紀後半になって石油が活用されるまでは、「鯨油」が照明用や産業用の油として重要な資源であり、20世紀に入っても薬品や火薬を始めとする化学製品、マーガリンの原料として欠かせない戦略物資でした。
帆船捕鯨の時代にはアメリカが世界1の捕鯨国で、世界中の海で鯨を獲りまくり、江戸時代末期には彼らの所為で日本近海の鯨が枯渇したほどでした。
石油化学の進歩によって「鯨油」が不要となった彼らは、それまでの乱獲と資源枯渇の責任を忘れたかのように、「鯨食」文化のある捕鯨国を一方的に攻撃するようになったのです。
そんな鯨にまつわる真実を、
南極海調査捕鯨の実体験で綴る航海記。
日本の伝統や文化でもある捕鯨や鯨食について
歴史と今の真実を知る一冊です。
本の後半では航海記の他に
「佐世保が生んだ明治人達のファミリーヒストリー」
「佐世保近郊の地形を楽しむ」など、
佐世保を深く楽しめるエッセイも同録しています。
「南極海調査捕鯨 航海記」
https://www.sasebo-geibundo.com/hanbai-shinkan.shtml
西日本新聞で紹介されました
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/841735/
金明堂書店など市内有名書店、三川内の四季彩館で販売中です!