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力を入れてはいかん。力がないといかん。

つい力んでしまって、打ち損ねる。
本番になると余計な力が入ってしまい、練習ではできたのに上手くいかない。

そんな経験って、きっとどなたにもありますよね。

僕の場合、正直言って球技に苦手意識があります。
野球やソフトボールでも、ゴルフでも、つい力んでしまって上手く打てません。
上手な人を見ていると、リラックスして滑らかな動きで、かつその瞬間には凄いインパクトでかっ飛ばしておられる。

…憧れます!

この克服は僕にとって永遠の課題なのです。

でも、この課題は、僕が14歳の時に始めて、現在にいたるまで44年間
続けているギターに置き換えて考えると、その解決方法が解明できるという気がしてきます。
素晴らしいギタリストの演奏を聴くと、なめらかで、感情表現が伝わってくる。
感動するような音が心に入ってくる。
アマチュアの方で、難曲に挑戦している人の演奏を聴いていると、たしかに間違ってはいないし、原曲通りに弾けているのに、なぜか…速く弾ける人だなと感じるだけで、感情が伝わってこない。
それは、一生懸命に弾こうとして、力んでいる状態なのだと思います。
自分でも、難しい曲を、一生懸命練習している最中は、何かいつもと違う…ぎこちなさを感じることがあります。
そんなときは、まだまだその曲に対する力が不足していて力んでいる状態なのだと気づきます。
十分に練習を積んで、その曲に慣れてきて、リラックスして弾けるようになったとき、自分なりに滑らかな感情表現まで入れることができるようになります。
聴いている人に感動してもらえるような演奏をするには、「力が入っていてはいけない」のです。
しかし、同時に、その曲を弾きこなすだけの「力(力量)がなくてはいけない」のです。
だから、リラックスして対応できるだけの「力をつける練習が必要」で、十分な力を身に着けて初めて「力を入れず」に最高のパフォーマンスを出すことができる。
もう一つ、最高のパフォーマンスを出すために大事なポイントがあります。

それは…
ちゃんとした「よい道具」を使うことです。

ギターをやろうと思ったけれど、Fのバレーコードがなかなか押さえられなくて挫折した!
続かなかったという方は、結構いらっしゃると思います。
とりあえず安い楽器を買って始めてみるという考え方もあると思いますが、それはおススメできません!!
「安いギターが弾きにくい」というのには、ちゃんとした理由があるからです。
高級なギターの素材となる「木」は、温度や湿度の変化があっても、狂いが生じないように、時間をかけて寝かせるシーズニングというという工程を経て、安定した状態の素材になるまで調整してあります。
しかし、安く生産するためには、そんな時間とコストはかけられません。
ですから、安いギターの素材は、反りやすくなりがちなのです。
ギターの弦は、できるだけ低くセッティングしてあげると、弾きやすく、なめらかな演奏がしやすくなります。
しかし、安いギターは、木が反る可能性が高いので、すぐに弦とネックが接触してしまい、そうなると「不良品」として返品されてしまいます。
作る側としては、不良品にならないよう対策を考えますよね。
それで、安いギターは、とんでもなく弦が高くセッティングされていて、力をいれないとコードが押さえられないようなシロモノが多いのです。
ちなみに、最低5万円程度以上のギターがおススメです。
(高いギターの中古を安く手に入れるともっとGOOD!)
それを、良い楽器屋さんの職人さんや、リペア職人さんに、ちゃんと調整してもらったギターは、無理な力をいれなくても、弦の高さが低くセッティングされているので、柔らかくて押さえ易く、力まずに弾けるのです。
Fのコードで挫折したという方、原因は自分の指の力が足りないのではなく、弦高の高い安物のギターのせいだったかもしれません。
というわけで、今回のまとめは、

1:「力をいれてはいかん」
  リラックスした状態でこそ最高のパフォーマンスが出せる。

2:「力がなくてはいかん」
  リラックスした状態でも出来るだけの「力」を練習して鍛えて身に着けておく。

3:「良い道具でなくてはいかん」
  間違った道具をつかうと、余計な力をいれることにつながり、間違ったクセがついたり、余計な時間の無駄を強いられたりすることになる。

このことは趣味のスポーツや、音楽だけでなく仕事にも通じるところがある極意の一つだと感じています。
「力をいれてはいかん」「力がなくてはいかん」
という言葉を学ばせてもらったのは、伊万里の伊豫屋(いよや)の中島光晴先生の「書」です。
今も、会社の中の部屋に、この書を飾っています。
芸文堂で「書魂(かきだま)」という本を出版していただき、長崎・博多・新宿の紀伊国屋書店で、書道パフォーマンスと作品の展示会をするという思い出に残る仕事でした。

「書魂(かきだま)」の情報はコチラ
http://www.sasebo-geibundo.com/hanbai-shinkan.shtml

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