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「中村君…俺、南極に行ってくるよ!」

師走のある日、尊敬するドクターから、
久しぶりに電話をいただきました。

「中村君、俺、今度は南極に行ってくることになったよ!」

…えっ!!南極ですか!!

「南極へ行く調査捕鯨船が、同行する船医を探していて、
 俺に、声が掛かったんだよ!」

…3年前に世界一周されて、なんと今度は南極ですか!?

「どうも、俺の本を読んだ人からの情報で、俺のことを知ったらしい」

「すでに船は出航しているんでね。
 途中まで飛行機で飛んで、
 それから燃料を補給するタンカーに乗って追いかけて、
調査捕鯨船に乗り込む予定だよ。
 帰って来るのは2019年の春になるな」

…この先生とは、
「ドクトル太公望の世界周航記」という、
航海記とエッセーをまとめた本を、
弊社「芸文堂」から出版してくださった著者、萩原博嗣先生。

萩原先生は、佐世保共済病院の元副院長で、
「佐世保の麗妙かつ高齢のご婦人方の間ではつとに高名なお医者さん」
と評される整形外科医の先生。

2015年3月、定年の65歳を期して、
海上保安大学校航海練習船「こじま」に臨時医務官として乗船し、
101日間の世界一周航海に同行するという
貴重な体験をされました。

「ドクトル太公望の世界周航記」は、
その世界周航の記録と、
釣りが趣味で、船も所有していたことがあるという
グルメな先生らしい楽しいエッセーをちりばめた本。

この本の中に、鯨についての話が2話掲載されています。

「鯨取りの華、羽指(はざし)と呼ばれた男達」
江戸時代、現在の平戸市生月島で、
益富家、山縣家が展開していた当時の鯨取りの様子が、
エキサイティングかつ分かり易い文章で描かれています。

先生の原稿を読むまで、銛や網や手漕ぎの船といった原始的な道具で、
江戸時代にどうして巨大な鯨をとることができたのか・・・?
それまでの僕は、生月の捕鯨の歴史を読んでも
信じられないというか理解できないと感じていました。

しかし、先生のこのエッセーを読むと、
手に取るようにこの歴史の事実を理解できました。

もう一つのエッセー「鯨の話」。
小値賀島の鯨取りの歴史の話から始まる
「日本の鯨食文化の話」は、読んだ方は
きっと共感されることと思います。

捕鯨の世界的な歴史まで分かりやすく解説されており、
現在捕鯨禁止を叫んでいるIWC(国際捕鯨委員会)に物申すエッセーになっています。

鯨の数を激減させたのは、
欧米列強の歴史的行動が原因だったという事実には、
きっと読者の皆さまは「我が意を得たり」
という気持ちになられることと思います。

世界一周の周航記とともにこのような面白いエッセーも入った
「ドクトル太公望の世界周航記」は
平成29年10月に出版し、新聞紙面でも紹介いただくなど
好評を得ていました。

つい先日、とても嬉しいFAXが届きました。

佐世保文化協会が毎年選考している
第38回「佐世保文学賞」に
萩原博嗣先生の「ドクトル太公望の世界周航記」が決定したという
嬉しい知らせです!

萩原先生が現在南極海を航海中のため、
通常2月に行われている授賞式を、
帰国後の4月に行うよう延期してくださったそうです。

さらに、「佐世保文学賞特別賞」も、
弊社芸文堂から出版していただいた、
山口日都志先生の「佐世保遊里考」が受賞という、
ダブルで嬉しい知らせでした。

「地元文化に奉仕する」という志を掲げて
創業した弊社先代社長 飯田四郎の想いが
少しずつ実っているのかなと感じています。

先代への感謝を忘れず、
この想いをこれからも大切に引き継いでいきたいと思います。

「ドクトル太公望の世界周航記」のお求めは…
http://www.sasebo-geibundo.com/hanbai-syakai.shtml

させぼ四ヶ町の金明堂書店、三川内の四季彩館でもお求めいただけます。

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