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~なぜ変わらない?~『鎌倉の海と街の魅力』

先日、結婚38周年を迎えた僕ら夫婦は、

関東に暮らす長男の家族、孫に会うことを楽しみにしながら、

青春時代の思い出のつまった「鎌倉の由比ガ浜」に宿を予約して、

記念の小旅行に出かけました。

今回のテーマは、

~なぜ変わらない?~『鎌倉の海と街の魅力』

ぜひお読みください!

 

【新社会人時代・鎌倉の海との出会い】

僕が社会人になったのは、1980年代の前半。

当時の日本は高度成長期のピーク。

まだバブルの前で好景気を謳歌していました。

 

世の中はバブリーで華やかなのに、

入社した凸版印刷の新入社員研修はスパルタ式で、

なんと、陸上自衛隊 御殿場駐屯地で合宿訓練。

そこで同じ班になり、厳しい訓練と楽しい寝食を共にして仲良くなったのが、

早稲田大学ウインドサーフィン部出身のS山君。

彼に「ウインドサーフィンを教えてあげるよ」と誘ってもらい、

鎌倉の材木座海岸に通うようになったのです。

 

当時の僕にとっては、ウインドサーフィンは初めて見る乗り物。

ボードの上に、360度ぐるぐる回るマストがつながっていて、

自分の手でそれを持って支えるという、なんだこれは!?という乗り物。

 

最初は手ごわいと思ったものの、コツをつかんで乗れるようになったら、

とても楽しくなって、S山君やN村君という同期仲間と一緒に、

毎週のように、鎌倉の海に通っていました。

慣れてくると、沖の方まで行けるようになって、

鎌倉から、西に走って「江の島」へ!

風向きによっては東側の「葉山」の沖まで、

クルージングを楽しめるようになっていました。

風のない日には、コーヒーを買って、

それを飲みながらボーっと海を眺める。

それもまた、とても気持ち良くて、

東京での満員電車に揺られるサラリーマン時代の僕にとっては、

気分をリフレッシュさせてくれる、夢のような時間でした。

鎌倉には、尊敬する叔父の住まいがあり、

仲の良い従姉がいたので、鎌倉は縁の深い場所になっていました。

友人たちは、親戚の美人のお姉さんが美味しいご飯を出してくれる!と大喜びで、

何度も厚かましく押しかけてお世話になったという、いい思い出が残っています。

 

今回、結婚38年目の、ちょうど記念日ということもあり、

その鎌倉の町に民泊を予約して、旅行に行ったのです。

 

【40年経っても変わらない、鎌倉の街】

びっくりしたのは40年前に、ウインドサーフィンを楽しんでいた海と、

その街並みが、いい意味で大きく変わっていないということでした。

そこは、サーファーやウインドサーファーが楽しんでいる海があり、

昔と変わらない道路や町並みがある。

本当にいい意味で、街の雰囲気が変わっていないんです。

なぜ変わっていないのかというと、高層の建物が無い!

もちろん、新しい建物も建てられてはいますが、

景観を守るための厳しい規制があるため、鎌倉では高くても4階建て。

お隣の逗子市でも、高くても、5階か6階の建物しかありません。

高層の建物が建てられないので、マンションや新しいホテルが建設されない。

だから、街並みの印象が変わらずに保たれているのです。

鎌倉での宿を検索してみると、人気の観光地にしてはホテルが少ない。

ということもあって、今回の旅では民泊を予約。

築100年とは思えない、綺麗に手入れされた大きな家。

そこに、快適に宿泊するためのアメニティグッズを用意して、

旅館のように地元の銘菓「クルミッ子」まで用意してくださるという、

温かいホスピタリティのある素敵な宿でした。

 

【長崎と比べて見える、街の個性】

一方、長崎市では、長崎県庁の移転があり、

新幹線の開通とともに駅前は美しく刷新され、大規模高級ホテルも続々オープン。

さらには長崎スタジアムシティの完成と、

百年に一度と言われる大開発が行われました。

すごいスタジアムができて楽しめて、正直うらやましいなと感じています。

しかしその反面、旅で街の風情を楽しむという感覚で見ると、

もしかしたら、残っていてほしかった景色が、

変わってしまっているのかもしれません……。

 

【江ノ電の朝散歩と、カフェのひととき】

昨日の早朝、民泊から歩いてすぐの「江ノ電・由比ガ浜駅」から、

次の「江ノ電・長谷駅」まで電車に乗って、散策に行ってみました。

この辺りは、漫画スラムダンクの影響もあって、すごい人気の場所になっています。

妻と一緒に散歩して、素敵な女性店主が営んでいるカフェ

「CINNAMON & MORE」を見つけて、モーニングをいただきました。

その店で見かけたお客さんは、半分以上が外国の方。

店主に、話を聞いてみると、

「外国の方も多いけど、旅行者だけじゃなくて、住んでいる方も多いんですよ」

と話してくれました。

【変わらない風景がくれる安心感】

窓の外には、サーフボードを持った人達が、朝から海に向かって歩いています。

今日は火曜日!「平日というのに、なんて羨ましい身分の人がいるんだろう」と思いながら見ていました。

この風景、自分が20代のときに、この鎌倉の海で見ていた風景と同じなのです。

この湘南の海で楽しんでいる人の姿は変わっていないし、

街の魅力も変わっていない。

40年もの時が経ち、スマホやAIが当たりまえの時代になっても、

サーファーはボードを手に抱えて、アナログ的に歩いて、海に向かっている。

「いい意味で変わっていない」というコトを、

たくさん見つけてうれしくなった鎌倉の旅でした。

【「変わらない」を支える人々の意識】

この街の変わらない魅力は、景観規制など、行政や政治の力のおかげでしょうか?

それは、街の人たちが皆それを望んで、

そういう意見の人たちを政治家に選び、

そういう意識の人々が行政を運営したりしている結果、

これが保たれてるんじゃないか、と勝手に想像しています。

 

もっともっと日本を旅して、こんな魅力を味わってみたい

そんなことを想いながら、大好きな長崎・佐世保に帰ってきました!

To be Continued.

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