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『海外バイクツーリング冒険記2回目のオランダ編3』~帰国に向けて~

12月も半分を過ぎて、年末がもうすぐそこに来ています。

地球温暖化の影響なのか、

「人間にとって快適なシーズン」=「大好きなオートバイに快適に乗れるシーズン」

でもある「春と秋」が、とても短くなったと思いませんか?

夏の強烈な暑さがやっと終わったと思えたのは10月の後半。

11月の後半には、しっかりした防寒具が必要な寒さに見舞われています。

さて、今回のテーマは

『海外バイクツーリング冒険記 2回目のオランダ編3』~帰国に向けて~

ぜひ、お読みください!

(‘◇’)ゞ

 

(この冒険記は、1986年当時の日記とアルバムを基にした書き起こしです)

1986年10月28日火曜日(雨)―その2―

 

3カ月を超えるヨーロッパ~北アフリカの旅の終盤、

出発地のオランダ・アムステルダムに戻ってきたとき、

所持していた残金は、約5万円。

しかも、片道の格安航空券で渡欧していたので、

帰りの航空チケットは持っていない!

オートバイを売却しなければ、日本に帰れない!という状況。

( ;∀;)

(その当時、旅慣れていたとはいえ、我ながら楽天的過ぎたと反省)

 

愛車YAMAHA XT350号を売却するため、

お世話になった保険屋ビルヨウさんに紹介してもらった、自動車商人ピュルブム氏、

そして最初にバイクを購入したモトショップのヴァインハートさん、

その2者に競合してもらって、タフな売却交渉をする事となった。

結果的に、なんとか3250ダッチギルダー(当時のレートで約21万円)で売却できた。

※交渉の詳細はこちら・・・

 

やっと売却が完了した後、ピュルブム氏が保険屋さんのビルヨウ家まで送ってくれた。

午後は、ビルヨウ家の長男エルヴィン君に付き合ってもらって

航空チケットを買うために、アムステルダムの街に繰り出した。

ビルヨウさんが、ブリティッシュ・エアウエイに務める友人に、安く買える代理店を聞いていてくれた。エルヴィンに案内してもらって、その「オリエントTRAVEL BV」という「FAR EAST専門店」の看板を掲げた店に入ってみた。

なんと、キャセイパシフィックの東京行き片道航空券が1380ギルダー(約96,000円)で買える。

パリで調べた時は、片道10万~11万くらいしたので、これはいい値段だ!

しかも、明日の朝の便が、今ならまだ予約できるという!

そこで、もう他を探すことはせず、この便を予約することにした。

エスコートしてくれたエルヴィンに、無事航空券を手に入れた御礼にと、街のレコード店に行って、LPレコードをプレゼント。音楽好きのエルヴィンはとても喜んでくれた。

バイクの保険の相談中に親しくなったビルヨウ家のおかげで、どれだけ助かったかわからない。

その後、日本へのお土産を探そうと、アムステルダムの街中を散策してみたけど、なかなか見つからず苦労して断念。空港の免税店で探すことにした。

 

バイクの売却と、帰りの航空便の予約。この2つの大仕事も、ちょっとは苦労したけど、ビルヨウ家のみなさんのおかげで、わずか2日にして片づけることができた。

しかも、出発は明日の朝だ。

エルヴィンと二人でビルヨウ家に戻ると、アニーお母さんが、特製の家庭料理を作って待っていてくれた。

ゆっくりワインを飲みながら、ヨーロッパ最後の夜を幸せな気分で過ごすことができた。

エルヴィンとは音楽の趣味も同じで、エレキギターにベースギター、さらには4トラックの多重録音デッキまで部屋にあったので、夕食後は楽しいセッションだ。

この夜2曲を作品にしてデッキに録音してしまった。深夜アニーお母さんに、「もう寝る時間だよ」と声を掛けられるまで、演奏し続けてしまった(^^♪

それから、帰国のための荷造りをして、ベッドに入ったのは午前3時。明日は起床なので、ちょっとキツイが、飛行機の中で10数時間寝ていけるので、そこから、全力を振り絞って日本に向けての絵葉書を書き続けてしまった。明日の朝が、外国郵便を出す最後のチャンスだ。

今夜は、とにかくずっと何かをやっていたかった。ボーとしていると、すぐに愛車YAMAHA XT350号のことを思い出してしまう。3か月毎日一緒に旅をしていたので、まるで自分の馬のような感情を抱いてしまっていて、もう自分の手元に居ないと思うと寂しくなってしまうのだ。

それにしても、今回の旅行を振り返ると、今回の海外バイクツーリングに求めていた欲求はすべて叶えられた、本当に夢が叶ったという気持ちだ。旅を終えて日本に帰るということが、なにか逆に寂しく感じてしまうようなくらい・・・幸せな毎日だった。

本当に、海外をバイクで旅して良かった。

旅は終わっても、スイス4TAKTチームのマンリーやピート、パリのリヨネラとロゴンス、そしてエルヴィン。みんなとの友情はいつまでも終わらない。

この旅は、もう思い出となってしまうけど、また新しい夢の旅に出たいと思っている。いつかきっと・・・

To be continued.

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