連日、「熱中症警戒アラート」が発令される、異常な暑さが続いています。
春や秋に観光地に行くと、ツーリングを楽しんでいるバイクを沢山見かけますが、
この暑さでバイクの数は激減しています。
そんな中ですが、お盆休み中に1泊2日のツーリングに行ってきました。
酷暑を避けるため、夜明けとともに早朝出発。
暑くなる前に九重の山岳地方に到着して、
高度1000mの涼しい場所でツーリングを楽しもうという訳です。
九重の高原や山岳ルートは、想定通り涼しく快適でした!
しかし、阿蘇はカルデラ地形のためか熱気がこもっていて、
想定外に暑かった~!
なんとか熱中症にならずに無事帰ってきました。
さて、今回のテーマは、
海外バイクツーリング冒険記2回目のオランダ編2
~バイク売却交渉のゆくえ~です。
ぜひ、お読みください
(‘◇’)ゞ
(この冒険記は、1986年当時の日記とアルバムを基にした書き起こしです)
1986年10月27日月曜日 (続き…曇りのち雨)
パリのリヨネラとロゴンスのマンションに、1週間ほどお世話になってしまった。
やっと重い腰を上げて、次の目的地に向けて出発したのが、今日午前11時。
今度は、オランダでバイクを購入した時、バイク屋さんに紹介してもらって
お世話になった保険事務所のビルヨウさんの家に向かっている。
日本人は童顔に見えるらしく、26歳の僕は、大学生くらいに見えたらしい。
だから、3カ月前、保険の契約をお願いした時、
「ウチに泊まっていきなさい」と、ビルヨウさんの奥さんに声をかけてもらい、
おかげで息子さんのエルヴィンとも仲良くなれた。
ユトレヒトを経由して、夜8時過ぎにアムステルダムに入った。
3カ月前には、アムステルダムの街をバイクでウロウロして、
慣れていたつもりだったのに、夜の雨の中では道に迷ってしまった。
ホテルオークラの前にあった公衆電話から電話をかけて、道を教えてもらい
なんとかたどり着くことができた。
ビルヨウ家に着いて、3カ月ぶりの再会を喜んでいたら、
なんと、ハンス(お父さん)が、今夜、バイクの買い手
ピュルブム氏を家に呼んでいるとの事!
家の中に入れてもらって寛ぐ前に、あわてて
雨で汚れてしまったYAMAHA XT350号をもう一度クリーンナップだ!
家の前の道路で、ガソリンを布にしみこませて、汚れを取り、
エンジンには、エンジンオイルを塗って、布で磨いて準備OKだ。
(これは危険です、止めましょう)
一度パリで大掃除していたので、すぐに綺麗になった。
バイクの準備もできて、リビングルームでコーヒーをご馳走になっていたら、
ピュルブム氏がやってきた。
ハンスさんの友人の自動車屋さんということだが、
ビジネスだからしかたがないけど、今一つフレンドリーとは言えない人だった。
自動車・バイク商向けのマニュアルみたいなものを睨みながら、考え込んでいる。
しばらくして「3500ギルダー」と言ってきた。
愛車XT350号は、1986年8月9日に
6800ギルダー(約46万円)で購入して以来、約3か月使用。
エンジンは前述の通り、オイル交換や補充などかなり注意して使ってきたが、
酷暑と砂まみれのアフリカを走り回るなど、酷使したコンディションといえる。
しかし、そうはいってもまだ買って3か月しか経っていないから、
ぱっと見た目は新車とそんなに変わらない美しさを保っている。
実は、このバイクを購入したお店のオーナー、ヴァインハートさんとは、
買うときに買い戻しの交渉もしていた。
走行8000㎞なら4000ギルダー、
走行14000㎞なら3000ギルダーということになっている。
走行16400㎞なのだけれど、僕としては4000ギルダー欲しいところだ。
…欲張りかな(‘◇’)ゞ…
ピュルブム氏に交渉するけれど、相手はプロ。
「3500ギルダーでFIXだ」「不満ならば他へ売ってくれ」という。
僕としても、時間がないため、一般ライダーに直接売るなんてことはできない。
自動車屋さん・バイク屋さんに買い取ってもらう以上、
相当のプライスダウンは覚悟というか納得しなければならない
とは思うのだけれど、約半額という金額には不満だった。
しかし、ハンスの話を聞くと、
もしバイク屋のヴァインハートさんのところで売ると、
20%の税金がかかるので、もし4000ギルダーで売っても、
手元にくるキャッシュは3200ギルダーになってしまうとの事。
ピュルブム氏は、自動車商なのだけれど、
プライベートで売り先が決まっているので、
税金なしで取引してくれるというのだ。
そこで、現金3000ギルダーを前金で受け取り、書類を渡し、
明日の朝、バイクをピュルブム氏の所に届けて、
残金の500ギルダーと交換するということになった。
日本円に換算すると約23万8千円だ。(当時のレート)
金額はともかく、今日が最後のツーリングだったんだ
と思うとなんともなんとも寂しい気持ちになってきた。
今は、少し調子悪くなっているけど、
YAMAHA XT350はライトウエイトでパワフルな素晴らしいスーパーモトだ。
とにかく、商談成立ということで、長い一日が終わった。
ビルヨウ家のベッドでゆっくり…おやすみなさい。
To be continued.