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海外バイクツーリング冒険記(スウェーデン編その3)~バイクがつくる友達の輪!~

「不定期連載」の海外バイクツーリング冒険記…

…コロナ拡大のために「連載」を続けています(笑)

 

(この冒険記は1986年当時の日記とアルバムを基にした書き起こしです)

 

今回はスウェーデンからノルウェーの国境へ向かう一コマ。

 

1986年当時のバイクは、コンピュータ制御のないアナログマシン。

だから整備も必要ですが、自分でかなりの整備ができました。

 

そのおかげで、バイクをきっかけに友人ができるという思い出がいくつもできました。

今回のテーマは『海外バイクツーリング冒険記』

(スウェーデン編その3)~バイクがつくる友達の輪!~です!

 

ぜひ、今回も写真付きのブログでお読みください。

(‘◇’)ゞ

 

1986年8月18日 くもり/晴

 

ストックホルム在住の親友、みっちゃんの家での2泊目。

この日も安心して熟睡してしまい、

7時30分起床の予定が、8時に目が覚めた!

 

みっちゃんの会社で朝食をご馳走になる約束だったので、

あわてて荷物をバイクに積み込んで出発!

 

「トミテボダ・ポストオフィス」(スウェーデン国営郵政省)の社員食堂で、

スパゲティとハンバーグとパンと紅茶というパワフルな朝食をゴチになった!!

 

ここでみっちゃんに感謝を伝え、

2日間のみっちゃんの家での休日!?に別れを告げて、

ノルウエー・オスローに向かって出発することにした。

 

それにしても、日本から持ってきた貧弱な「カッパ」では、

北欧の冷たい雨には太刀打ちできない。

みっちゃんに相談したら、北欧で手に入る「レインウエア」では、

フィンランド製のルッカというブランドが信頼できそうだ

という情報を調べてくれた。

 

そこで、ストックホルムのホンダMCセンターを訪ねた。

 

接客してくれた若い店員さんに「ツーリストなので、安いヤツをください」と言ったら、

「この店では、値引きはできませんよ」とつれない返事だった。

 

しかし、「レインウエア」のサイズを探しながら、会話しているうちに

店員のアンダース君(22歳)と、バイクを通じた連帯感のような友情が芽生えてきた。

 

サイズが合うのはニュータイプ(640クローネ)しかなかったのだが、

それを旧タイプの価格(595クローネ・約13,000円)で売ってくれた。

※当時1スウェーデンクローネ=22円だった

買い物の後、アンダース君は、オイルや点検のことを心配してくれて、

「ウチの工場を使っていいから、自分で今やっといた方がいいよ」と、

親切にも工場をセルフサービスで使わせてくれたのだ。

(スウェーデンは人件費が高いので、作業を依頼するととんでもなく高い工賃がかかる)

 

地下の広い作業場で、走行距離2350キロの愛車YAMAHA XT350をリフトで上げて、

オイルストレーナーをクリーニングし、フィルターを新品に変えて、オイルも交換。

取り替えた古いフィルターには、慣らし運転の必用性が分かるほど

エンジン内の金クズがついていた。

 

作業が終わったころ、アンダース君が昼食に誘ってくれて、

カレイフライとポテト、ルートビアに珈琲(32クローネ)を奢ってくれた!

 

食事中に、アンダース君から聞いた、スウェーデンのバイク事情にびっくり!

なんとスウェーデンでは、競技用ライセンスを保持していると、

競技用のモトクロッサーや、エンデューロバイクに

カンタンな保安部品を取り付けるだけで、

公道を走らせることができるのだ!(当時の話)

 

さらに一般のバイクには高い税金がかかっているが、

競技用マシンだと税金も安くなるんだと!

 

ストックホルムホンダで働くアンダース君は、

22歳にしてもう家を建ててしまったとか!

スウェーデン人の年間平均休暇は5週間だそうだが、

ボスと交渉して6週間にしてもらっているとか!!

いろいろと話していたら、

結局、交換したオイル代(45クローネ)を無料にしてくれて、

安全のためにと、蛍光ステッカー(20クローネ)もプレゼントしてくれた。

 

さらに「今夜はウチに泊まっていきなよ!」と勧めてくれ、

とても迷ったけれど、今日はスウェーデンに来て初めて“雨が降っていない”

絶好のツーリング日和だったので、やっぱり予定通り出発することにした。

 

“言葉”はヘタクソの英語しか使えないのに、

バイクという共通の趣味という“言語”があると、

こんなに親しくなれるのだと、バイク旅の有難さが身に染みた。

 

Anders君ありがとう!!

 

さて、長時間お世話になったストックホルムホンダを、午後2時30分出発!

 

ルートE18を、美しい景色を眺めながら快調に走って約2時間30分。

「GODMAT」という湖の看板が目に留まり、脇道に入ってみた。

すると、湖の周りに最高のダートロードあるではないか!

約10㎞続く、湖と森の中を通るフラットダートをツーリング。

天気も良くて、今日がスウェーデンに来て一番!というツーリング日和だった。

買ったばかりのルッカのレインウエアは防寒着としても活躍してくれる。

北欧の夏は、日が長く、夜9時ころまでは明るいので、

約2時間はウロウロのんびりと湖の周りのダートツーリングを楽しんだ。

 

その後、地平線から突き刺さるような夕日に向かって、

西に向かって走り続けて、KARLSKAGEという街に着いた。

 

その街の観光看板を見て、ユースホステルを探してみたけど、

なかなか見つからない。

 

そこで、自転車の若者二人組にユースホステルはどこにあるのか尋ねてみた。

すると、なんと1.5㎞くらいの距離を、自転車で先導して案内してくれた。

 

親切なスウェーデン人と中国人タンキブォン君の二人組は、

バイク旅をしている僕に興味をもってくれて、

ユースホステルに着いてからもしばらく会話を楽しんだ。

ここのユースホステルは清潔だけど、あっさりしていて

受付のおばさんは、夜9時30分には家に帰ってしまい、なんと無人になる。

僕が泊まった棟には、10部屋くらいありそうだったけど、

宿泊客は僕一人!今夜の宿は寂しい限りだ!!

タンキブォン君によると、「もうスウェーデンの夏は終わった」そうだ。

だからガラガラに空いているのだった。

 

(ちなみに、スウェーデンの夏は5月から7月まで。

特に8月は雨が多いのだ!)

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今、振り返ってみると、

雨には濡れるし、寒さも暑さも体に堪えるし、

お尻は痛くなるし、不便に思える「バイク」です。

 

しかし、鉄板とガラスでできた部屋の中に囲まれたような「車」で旅行していても、

快適ではあるけれども、このような人とのふれあいは得られなかったと感じています。

そもそも荷物を満載にしたオートバイを見ると、

「旅をしている人」と一目でわかるということが最大の利点です。

 

オートバイの旅の魅力は、人との出会い、友との出会いを

バイクが助けてくれることだと思います。

 

また、旅に出たくなっている今日この頃です。

はやくコロナが収束しますように!

 

TO BE CONTINUED

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