

先週の金曜日、させぼ夢大学に、
テレビでおなじみの、涌井雅之さんをお迎えしました。
造園家・ランドスケープアーキテクトとして、
「持続可能な未来」を、次の世代に残すために、
この時代に我々はどうすべきなのか?
熱く語ってくれました。
涌井さんのメッセージは、
熱く!そして分かりやすいものでした!!
今回のテーマは、
『えっ、人間は地球のがん細胞!?』です。
ぜひ、お読みください。
(‘◇’)ゞ
造園家・ランドスケープアーキテクトの涌井さんは、
この地で、「長崎オランダ村」、
そして「ハウステンボス」のデザインに参画された方です。
創業者の神近さんに呼ばれた頃の話や、
日本設計の池田武邦先生との想い出を、
講演を始めるにあたり、懐かしそうに話されました。
当時のハウステンボス建設予定地には、建設廃材が散乱し、
さらに、現在の針尾米軍住宅の周辺には釜墓地があったという
大変な状況を出発点に、
持続可能な街づくりをデザインしていかれたのです。
そこから、お話しに引き込まれていくうちに、
現在、私たち人類が直面している
大変な「地球環境」の危機について、
熱いメッセージをいただきました。
1: テーマは「持続可能な未来」。
次の世代、その次の世代に、
「持続可能な未来」を残すために・・・、
第一に「地球の環境を大切にする」という、
社会の大変動を起こすことが、
待ったなしの状況なのだそうです。
今まで、人間が環境を無視して、化石燃料を燃やし続けた結果、
地球全体を暖めてしまい、世界の平均気温が上昇。
そして、海を温めたので、海水が蒸発して、
超大型の台風が、何度も発生するようになったのです。
日本の自然災害の発生確率は、世界で17位。
世界各地での自然災害の被害は、これまでの脅威とは別次元の
耐えられないほどのものになりつつあります。
これまでの日本は、そして先進国は、
「経済優先、成長優先」、「一極集中・中央集権」でした。
しかし、これではチャップリンの映画のように
「自分は生産性の部品なのか」という気分になってしまいます。
さらに、自然というものは一線を越えてしまい、
不可逆性のラインを超えると、もう元に戻ることが出来なくなる。
これからは、そうなる前に、
「自然の可逆性を担保」しなければならないのです。
それを実現しようとすると、
「東京」一極の中央集権ではない、
「地方」分権時代が来るとおっしゃいます。
「佐世保」「長崎」で、風土性豊かに「地方分権」で、
エコロジカルに地域の個性を見つけていくという
新たな暮らし方が大切になっていくのです。
そこで、「利益で結びつく人間関係」ではなく、
「地縁で結びつく人間関係」をつくろう…とは、
涌井さん、良い事おしゃいますね~!!
2:「SDGs」は、「地球に暮らす人間のマナーブック」だ。
涌井さんはおっしゃいます。
「SDGsは難しく考えない。要は『マナーブック』だ!」
17の目標をたてて、自分の暮らしの中で、
ちゃんとやりましょうというのが「SDGs」。
169のターゲットも、難しいことではない。
要するに、『地球に暮らす人間のマナーブック』だ。
というのが、涌井雅之さんの分かりやすいメッセージです。
そう考えると、難しく構えて考えていた「SDGs」も、
できることから「マナーブック」として取り入れていけそうです。
3:人間は、地球にとってのがん細胞なのか?
涌井さんは警鐘を鳴らします。
「人間は、地球にとって邪魔な存在になってきている。」
言い換えると、
「人間は、地球にとってのがん細胞のようになってきている。」
涌井さんは、このままでは、
人間の数は「絶滅曲線」を辿っていると言われます。
この世界では、一定の生物の数が、一挙に増え続けると、
絶滅に追いやられるそうです。
一時期日本中にはびこっていた、
外来種の「セイタカアワダチソウ」の話をされました。
日本古来の種がダメになると心配する声もありましたが、
涌井さんは、「ほっとけばよいと」言っていたそうです。
セイタカアワダチソウは、自分の根から、ほかの植物をダメにする、
アレロパシーというものを出しています。
それによって、自分自身を攻撃してしまったのです。
セイタカアワダチソウは、自己免疫疾患を起こして、勝手に自滅したそうです。
こうやって、生物はバランスをとっている。
涌井さんは、人間にとっての「コロナウイルス」も、
これと同じだと、警鐘を鳴らされます。
もし、コロナを克服しても、また違うウイルスが攻撃してくる。
自然は、「人間を、がん細胞と思って攻撃してくる」ということなのだそうです。
だから、人間は、自ら数を増やし過ぎないように、
自らコントロールしていかないと、
絶滅に向かっていくというリスクに直面しているというのです。
最後に・・・
「個人の健康は、地球の健康と連動する。」
「人類全体の健康を考えるためには、地球の健康を考える。」
大げさなようですが、そうでないと、
「持続可能な未来」ではなくなってしまうのです。
これからは、
「巨大都市でのスピードライフ」に「成長」を求めるのではなく、
「地方社会でのスローライフ」で「成熟」した人生を楽しむ。
こんなことをイメージしていると、
「幸せをつくる佐世保の風景」が浮かんできそうです。
今回は、涌井さんから、
肝に銘ずべき、強烈なメッセージを有難く受け取りました。