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高橋洋一さんの「戦争が起きる確率」の話

先週の木曜日、31周年目のさせぼ夢大学が始まりました。

 

今回の講師は、

「増税する前に、まず政府の無駄な出費を減らす!」と主張する「上げ潮派」の論客、元大蔵・財務官僚の高橋洋一さん。

 

本来のテーマは「コロナ後の日本経済の再生シナリオ」でした。

 

しかし、高橋さんは、留学先のプリンストン大学で、

「戦争をテーマに研究」されたその道の専門家でもあります。

 

ロシアによるウクライナ侵攻を、

毎日ニュースで見せつけられている私たちにとって、

関心を持たざるを得ない「戦争の確率」についても、

興味深い話を聞くことができました!

 

今回のテーマは、

『高橋洋一さんの「戦争が起きる確率」の話』です。

 

ぜひ、お読みください。

(‘◇’)ゞ

 

【データで導く…戦争の確率】

 

高橋さんに言わせると、

テレビ番組のコメンテーターとして数多く出演されている

『社会科学の専門家』は、「議論ばっかりする!!」

そして、「データによる勝負」ではなく、

「声の大きい人」が論破して勝ってしまう。

だから「好きではない」のだそうです。

 

高橋洋一さん達『自然科学の専門家』は、

「論争はしない」、「実験をする」、「数字で勝負をつける」主義。

 

自分の理論から、予測を出して、データを集め、

実験を積み重ねて導き出した、誰の目にも明らかな

「数字で勝負をつける」のだそうです。

 

だから、私たちが心配でしょうがない「戦争の確率」も、

「数字」で説明できるのだそうです。

 

今から25年くらい前、

高橋さんが、官僚として働いていた財務省から派遣され、

プリンストン大学に留学されたとき、

「戦争をテーマに研究」され、

戦争の確率を計算することに取組んだそうです。

 

戦争のデータは、過去250年分残っていて、

5~600件の戦争についてのデータを調べたそうです。

 

 

【戦争の確率:3つのポイント】

戦争の確率は、

1:国が「民主主義国」か「非民主主義国」かによって変わる

2:「同盟」によって変わる

3:相手国の「防衛力」によって変わる

と明言されました。

 

 

【第1の観点・・・「民主主義国」か「非民主主義国」か】

「民主主義国」VS「民主主義国」の場合、戦争になる「確率が低い」

 

「民主主義国」VS「非民主主義国」の場合、戦争になる「確率が高く」なってしまう。

(ウクライナ VS ロシア はこの例になります)

 

「非民主主義国」VS「非民主主義国」の場合、戦争になる「確率が最も高い」

(「非民主主義国」=「独裁国家」同士の戦争が最も発生しやすい)

 

民主主義国を1⇒非民主主義国を10とする、

10段階のレベル表示があるそうです。

 

それで測ると、ロシア3、北朝鮮1、中国2と、

日本は強烈な非民主主義国に囲まれています。

ちなみに、日本は民主主義度8、北欧は9となっているそうです。

 

 

【第2の観点・・・「同盟」があるかどうか】

「同盟」があることによって、戦争になる「確率が下がる」そうです。

 

「同盟」があれば「正当防衛と同じ理屈」により抑止力が働く。

「どらえもん」にでてくる「ジャイアン」のように強い国と同盟していると、

相手も手を出そうと思わなくなるという例え話をされました。

 

ちなみに、日本の場合は、事実上の「日米軍事同盟」があり、

おかげでこれまでの長い間、戦争の確率が低くなっていたのです。

 

ちなみに、30か国以上が「同盟」を結んでいる「NATO」は、

「集団的自衛権」でお互いの防衛を約束しており、

「NATO」加盟国は、過去一度も侵略された事例が無いのだそうです。

 

 

【第3の観点・・・「防衛力」のバランス】

自国の「防衛力が高ければ」⇒確率が低くなる

「防衛力がアンパランスになる」と⇒戦争になる確率が高くなる

 

GDP比の防衛予算を比較してみると、

北朝鮮24%、ロシア4%、中国4%に対して、

日本1%!!

日本の防衛費は、世界で120位くらいに低いのです。

これでは、戦争の確率が高くなってしまうと高橋さんは心配されています。

 

「防衛力」を持っていることで戦争の確率を低くできるのは、

過去のデータが証明しているので、

しっかりと予算をかけるべきというのが高橋さんの主張です。

 

ちなみに、「非武装中立」という体制は、「最悪のパターン」で、

侵略戦争に巻き込まれる確率が最も高いのだそうです。

 

 

【ロシアによるウクライナ侵略戦争が世界経済に与える影響】

この影響は大きく、長期にわたるおそれもあり、

せっかくコロナが終わりかけたのに、楽観できなくなったと

高橋さんは警鐘を鳴らします。

 

まず、原材料と燃料代が上がる!

高橋さんは、その政治的解決策は、

個別の税率を下げて対応することだとおっしゃいます。

 

しかし、今の政府がとっている政策には失望されています。

 

補正予算が「2.5兆円」と発表されていますが、

これでは全く足りない!

「この『点』は、ゴミがついているのか、間違いなのではないか!!」

「25兆円」は必要だとおっしゃいます。

 

補正予算によって、経済政策に効果があるかどうかは、

「総供給」と「総需要」のバランスで決まるのだそうです。

日本の総供給は「570兆円」、対して総需要は「540兆円」。

ギャップは30兆円あります。

だから、30兆円から少なくとも25兆円の規模の経済政策を実施しないと、

この物価高騰を転嫁できず困難に直面する業界が半分はでてくる!

と心配されています。

 

この物価高騰を転嫁できない場合、

企業は、新規採用をやめるとか、リストラを行う

ということになってしまいます。

 

参議院選挙は7月10日 公約は5月いっぱいに作られます。

ぜひとも「公約に注目してみたい」と思っております。

 

 

【コロナに関する高橋さんの予測】

コロナに関しては、参議院選挙のあと、

「今のような規制はなくなる」

と高橋さんは予測されています。

 

世界を見れば分かる!

欧米からは「日本は何で今も規制しているのか!?」

といわれる状況になっているのです。

 

この予測によれば、飲食業界やホテル業界に関しては回復が期待できそうです。

 

ガソリンや原材料のアップをきっかけに、

「インフレになるのでは」と心配する見方もありますが、

高橋さんは、心配することはないとおっしゃいます。

 

IMFの世界経済見通しでは、

インフレ率が高くなるが、失業率は下がると予想されているそうです。

 

日本にとっては、健全なことで、

日本には前述の「需給ギャップ」があるので、

インフレの見込みは「1%」止まりとなり、「全然大したことない」とおっしゃいます。

 

それに対して、R国に関する予測は厳しいものでした。

報道によるとR国のP氏は、ルーブルが回復しているから大丈夫だと言っていますが。

高橋さんによると、

「R国が政策金利をすごく高くしたから、ルーブルが上がった」

そうなると、

「先に金利を高くしたので、企業は資金調達ができなくなり、雇用も失われる、

生産も少なくなる」その結果「インフレ」になる。

自分で金利をあげたので、さらに強烈なインフレに見舞われる。

R国には、まともな経済政策の分かるような人物は、

逃げてしまって、もう居ないのだそうです。

 

 

【日本の未来は…心配ない!】

最後に日本の財務状況についての、高橋さんの明快な解説をお伝えします。

「日本の財務省は『債務』に対して、バランスのとれるだけの『資産』を持っている。

税金を上げたい人に踊らされてはいけないのだ」という

私たちの気持ちを代弁していただきました。

 

金融機関の検査官をやっていた高橋さんは、

「『借金』だけみて、財務はわからない

どれだけの『資産』をもっているかが大切なのだ」

というお話しで、私たちに明るい希望を持たせてくれました!

 

 

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