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『海外バイクツーリング冒険記スペイン編1』 ~北アフリカ脱出!お洒落なスペインガールに感動!?~

僕の海外バイクツーリング冒険記は、

6回のパンクに悩まされながらも北アフリカを走り抜け、

やっとヨーロッパに向けて出航するところまで辿り着きました。

 

北アフリカの人々は、ほとんどがアラブ人で、イスラム教徒の国でした。

 

しかし、北アフリカで僕がバイクで旅をした、

チュニジア、アルジェリア、モロッコの3国とも、

1800年代から1900年代初頭にフランスの軍事侵攻を受け、

フランスの植民地になっていたのです。

 

今、ヨーロッパ諸国は、ロシアのウクライナ侵攻を一丸となって非難しています。

しかし、1800年代から1900年代にかけて、

ヨーロッパ諸国は、アフリカに軍事侵攻し、次々に植民地にしていたのです。

 

歴史を振り返りながら、

現在の、軍事侵攻や衝突が続く世界を見て、

自国の防衛力・外交力の大切さを痛感し、危機感を持つと同時に、

なんとしても、平和を取り戻して欲しいと願っています。

 

僕が旅をした1986年には、幸い3か国とも独立を果たしていました。※

 

植民地時代の影響で、フランス語は通じやすいのですが、英語はあまり通じません。

道路標識については、フランス語で表示されていて、

同じアルファベットなので、正しく読めなくても、なんとか分かるので助かりました。

 

しかし、アルジェリアでは、母国語化運動ということで、

フランス語の道路標識を撤去する動きがあったようです。

アラビア文字だけの道路標識になると、まったく歯が立ちません。

なんとか、残っているフランス語の標識が頼りでした。

 

というわけで、今回のテーマは、

『海外バイクツーリング冒険記スペイン編1』

~北アフリカ脱出!お洒落なスペインガールに感動!?~

です。ぜひお読みください!

(‘◇’)ゞ

 

 

 

(この冒険記は1986年当時の日記とアルバムを基にした書き起こしです)

1986年10月9日木曜日

 

やっとのことで、「北アフリカモロッコ」の中で、

飛び地である「スペイン領メリリャ」へ国境超えを果たし、

あとはフェリーに乗り込むだけとなった。

 

モロッコの人々は、植民地時代の影響でフランス語は話すけど、

あとはアラビア語とベルベル語…。

 

フェリーに乗る際の手続きや、スペインの通貨ペセタへの両替など、

英語がなかなか通じず、苦労してしまう。

 

そこで、「車高を上げたトラック」に乗ったフランス人を見つけた!

アルジェリアとモロッコの国境で、英語でヘルプしてくれたフランス人だ。

 

フェリーに乗り込む前に、ヤミ両替屋との交渉を手伝ってくれた。

今もっている5,000ペセタだけではイマイチ不安だったので、

トラベラーズチェック50ドル(約7500円)分を、5,500ペセタと交換。

 

※トラベラーズチェックとは「旅行小切手」。本人がその場でサインして換金する仕組みだから安全とされていましたが、2014年に廃止されています。

 

ヤミ両替屋なのに、「旅行小切手」まで扱っているとは、

ブラックマーケットもたいしたもんだ!

 

フェリーでは、節約してエコノミークラス(3,870ペセタ=約5,300円)に乗り込んだ。

ベッドは無く、イスだけだった上に、

テレビとラジオを一度に流している異常な音の世界だった。

だけど、寝袋のおかげで、まあよく寝れたほうだった。

 

 

1986年10月10日金曜日 晴れ

 

いよいよスペイン本土の都市マラガに上陸。

いままで見てきたアフリカの光景と対比するから、

とてもとても明るくてモダーンなイメージだ!

 

つい女性に目がいってしまうが…

昨日までのアフリカでは、女性はジェラバを着て覆い隠していた。

今日、スペインでは、街を歩く女性がとてもファッショナブル!

 

カラフルなオープンシャツ(大き目のブラウス)を着こなし、

裾をパンツやスカートの外に出して、腰にベルトをして着こなしている。

こういうのが流行っているみたいだ。スペインガールはみんなカッコイイ!!

 

このスタイルは日本人が真似しても、似合いそうだ。

 

マラガの街は、約50万人規模の大きな都会。

アフリカと比べるから一気に先進国に来たというイメージだ。

 

ここから、隣の都市アルメリアに向かってバイクを走らせると、

白壁の家の村、紺碧の海、青い空が美しい!

まさに、コスタ・デル・ソル(太陽の海岸)だ。

白と濃く澄んだ青とのコントラストが、強烈な感動を与えてくれる!

でも、1人で来るより、彼女と来たらもっと最高だよなと感じてしまう。

 

そして、「ヨソイキ」でなくて良い雰囲気が、スペインにはあるのだ。

小さくて魅力的なホテルには、約1,000円で泊まれるし、

レストランでの豪華な食事も約1,000円。

サーロインステーキが700円で食べられる!(1986年当時)

なんでも安くて、オシャレで、寛げるスペインは最高だ!!

 

(アフリカに渡る前に旅した南フランスも、とても好きだったけど、

フランスの地中海沿岸のコート・ダジュールは、とても物価が高いらしい)

 

海岸沿いの街でレストランに入ってランチを楽しみ、

それからグラナダのアルハンブラ宮殿を訪れた。

これまで旅した北アフリカのアラブの建物とは全く違う印象。

ここまで精緻に、美の極致といえるような建物を造れるのだと感動。

スペインに来ると、

アフリカではほとんど会う事のなかった日本人ツーリストをよく見かける。

グラナダの夜は、現地で知り合った日本人女性ソロツーリストMさんと一緒に、

旧市街のBAR(バール)でワインと食事を楽しんだ。

 

(今は違うはずだけど…)

ここスペインでは、市内を走るバイクを見ても、誰もヘルメットをかぶっていない!

さらにバイクを乗り付けているのに、食事しながらワインを飲んでいる!?

 

スペインの自由な雰囲気は素敵だけど、

「ここでは、自分の身は、自分で守らないと危ないぞ」と、

気を引き締めた夜でした。

 

To be continued

 

 

※チュニジアは、1881年にフランスの軍事侵攻を受け植民地となり、1956年に独立。

※アルジェリアは、1830年にフランスの軍事侵攻を受け植民地となり、1962年に独立。

※モロッコは、1907年にフランスの軍事侵攻を受け植民地となり、1956年に独立。

 

 

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