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海外バイクツーリング冒険記フランス編12 『南フランスでアフリカ渡航に備えよ!』

(この冒険記は1986年当時の日記とアルバムを基にした書き起こしです!)

 

僕は、この冒険バイクツーリングに出発する年の春まで、

凸版印刷株式会社板橋事業本部(当時の名称)の総務部に勤務していました。

 

職場では、沢山の先輩に可愛がられ鍛えていただきましたが、

入社した当時の直属のK次長の厳しさは格別でした!

 

K次長の口癖は、「本質は何だ?!」

いつも自分の頭で考えさせられます。

的外れな答えをいうと、定規がバシーンと頭に落ちてきました!

( `―´)ノ

 

当時はパワハラという言葉すら無い時代です。

とても厳しい上司でしたが、「本質を考える習慣」を教えてくれた恩人です。

 

「議事録はその日のうちに必ず書く!」という、

すぐヤル習慣を叩きこんでくださったおかげで、

「冒険ツーリング中も日記をその日のうちに必ず書く!」という

習慣を継続できました!

 

ちなみに、飲みに連れて行ってくれた時には、

とても愉快で楽しいメリハリのある大先輩でした。

今でも深く感謝しています。

 

さて、今回のテーマは、

海外バイクツーリング冒険記フランス編12

『南フランスでアフリカ渡航に備えよ!』です。

 

是非、お読みください!

(‘◇’)ゞ

 

 

1986年9月13日~17日

 

【羊飼いのおじさんに遭遇した時のマナー】

スイスチームのみんなと山々を駆け巡った勢いで、

ソロツーリングになっても山岳オフロードに向かってしまう。

 

今日はJausiersからL.des Sagnesという往復26キロのコースに挑戦。

約13キロ未舗装路を登って行った草原のところで、

「羊の群れに遭遇」。

 

スイスチームのピートから、

「羊や牛の群れに遭遇したら、エンジンを止める」

そして「羊飼いのおじさんには『ボンジュール』と挨拶する」

と教えられていたので、エンジンを止めて待つことにした。

ピートによると、

イタリアの山で会った羊飼いのおじさんに、バイクを制止された時、

「イタリア人のライダーが羊の群れに構わず、

バイクのエンジンをバンバン吹かして走り抜けたので、

怯えた羊がパニックになって、崖から落っこちて死んだりした」

と言う話を聞いたそうだ。

 

今日は、僕が事前にエンジンを止めて待っていたおかげで、

羊飼いのおじさんは好意的だった。

しばらく、エンジンを止めたバイクを転がして

羊の群れの後ろをついていったが、

おじさんは僕に煙草をすすめてくれたりした。

 

羊飼いのおじさんはフランス語しか話さない。

しかし、身振り手振りで、

「今日はポリス(軍?)がいるから、引き返したほうがいいぞ」

と言っているようだった。

見渡してみると、犬を連れた黒っぽい警察官風の人が遠くに見える。

 

この先はさらに道は険しくなり、

この荷物を積んだバイクではちょっと厳しそうだ。

今日は、無理せず引き返すことに決めた。

しばらくして、羊飼いのおじさんは、

広い場所をみつけて、羊を安全なところに集めて、

僕のバイクを通してくれた。

「メルシー」といって別れた。

 

今日の宿泊地は、フランスのグランドキャニオンの近く、

LaPaludのキャンプ場だ。

 

 

1986年9月14日晴れ

LaPaludからAix de Provinceへ

 

【アフリカに備えてキャンプ場で節約!】

LaPaludのキャンプ場の朝。外は朝靄(モヤ)で真っ白だ。

テントが濡れて水玉だらけになっている。

のんびり太陽を待って11時にスタートだ。

 

今日は、

LaPalud⇒D17⇒Serre de Mont Denier⇒Col de St Jurs ⇒LaPalud

とオフロード一周100㎞のコースに挑戦だ。

 

白い砂石の荒野をひたすら飛ばして、

最高の雰囲気の白い岩と緑の高原Serre de Mont Denierに辿り着いた。

遠くには、アメリカの荒野の岩山のような美しい景色を堪能できる

最高のオフロードコースだった。

 

そこで、7~8歳くらいの天才オフロードライダーに遭遇!

PW80というキッズ用のオフロードバイクで、

滑りやすい砂石の路面を、高速で走りながら

なんと僕にピースサインを送ってくる。

未来の天才レーサーだ!

 

今日は、Aix de Provinceのキャンプ場に泊まる。

費用は、これまでのキャンプ場の倍近い31フランだったが、

それでも1,000円しないのでキャンプは節約になる!

南フランスのオールドタウン。道中見つけたFIJIフィルムの看板が嬉しかった!!

 

1986年9月15日

【マルセイユでアフリカ事情を入手】

今日は、重い荷物は置いたまま。テントもそのままの「連泊」で

アフリカ渡航の準備に専念することにした。

 

Aix de Provinceから、アフリカ航路の起点の港

南フランスの港街マルセイユまでは、あっという間の近さ。

 

港のツーリストインフォメーションで無料の地図をもらい、

アルジェリア領事館の場所を書き込んでもらった。

 

アルジェリア入国にはパスポートに加えてビザが必要だ。

 

しかし、スペイン⇒モロッコ⇒アルジェリアのルートを計画していた僕は、

フランスのマルセイユから直接入国するのではないので

ここではビザはとれないということが分かった。

(領事館の対応は親切だった)

 

夜キャンプに帰ってから、ミシュランのアフリカ地図を真剣に見て

コースを検討した。

 

行く予定の国の部分だけ切り取って持参した「地球の歩き方」の情報では、

モロッコ⇒アルジェリアの国境は厳しい情勢のようだ。

思い切ってプランを変更し、

マルセイユからフェリーでチュニジアに入国し、

サハラ砂漠の北側を走ってアルジェリアに行くことにした。

そして、その後時間と金が残っていたらスペインに渡る計画だ。

 

 

1986年9月16日

【いよいよ明日アフリカに向かって出航だ!】

今日もAix de Provinceのキャンプ場に連泊を継続。

チュニジアに渡航する準備の日だ。

 

まずは、北アフリカの玄関口の国に選んだ

チュニジアの首都チュニスへのフェリーチケットを購入。

 

それから、アフリカに渡るとバイクのパーツも手に入らない。

マルセイユYAMAHAに出向いて、愛車XT350の整備をお願いした。

 

タイヤ交換、バルブ点検、プラグ交換と予備購入、

オイル交換とオイルクリーナー購入、ゴーグルの新品購入。

しめて1600フラン(3万8千円)だった。

 

カメラのフィルム、水タンク(水筒)、非常食糧(缶詰)、ティシュペーパーを購入。

 

さらに、積み荷を軽量化するために、

これまでの旅の途中で手に入れたものなどの荷物を、

マルセイユの郵便局から日本に送り返した。

 

昼食には、マルセイユ名物のブイヤベースを食べようと歩いていて、

フランスなのに英語で呼び込みをしているお兄さんに、

つい不覚にも付いていってしまった( ;∀;)

 

カラス貝を入れたアラカブ(カサゴ)の味噌汁のような食べ物を、

相場より高い値段で食べるはめになってしまった。

やはり呼び込みしている店はダメだ~!

(アフリカに行く前に、気を引き締めてもらったと思おう!)

 

そして、夜のキャンプ場では、

アフリカの旅から、日本帰国までの予算を点検した。

 

8月10日にオートバイを購入した時点の残金が58万だった。

9月16日現在の残金が36万。

この35日の間に使ったのが、22万円。

一日平均6,285円で過ごしてきた計算になる

 

今夜の試算で、なんとかアフリカでチュニジアとアルジェリアを旅して、

スペインに戻り、フランス、スイスを経由してオランダに戻るところまで行けそうだ。

そこでバイクを売れば、なんとか帰国までの予算は賄えそうだ。

 

アフリカに渡る前の心境とは・・・

 

アフリカはやっぱり別世界というイメージ。

まだ見ぬ世界への期待と不安でドキドキする。

 

いよいよ明日、アフリカに向けて出港だ!!

 

To be continued

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