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海外バイクツーリング冒険記(ノルウェー~ドイツ編) ~人を見る目で、旅を生き抜く~

「不定期連載」の海外バイクツーリング冒険記…

…コロナがようやく少し収まってきましたが「連載」を続けています(笑)

 

(この冒険記は1986年当時の日記とアルバムを基にした書き起こしです)

 

今回はノルウェーからドイツへの旅編です。

 

この旅に出て初めて、

バイクで一緒にツーリングする仲間ができました。

バイク旅のだいご味は、身体がむき出しのバイクだからこその、

友達の出来やすさです。

 

だからこそ、旅を生き抜くためには、

良い人、悪い人、を見抜く力が大切です。

 

今回のテーマは、

海外バイクツーリング冒険記(ノルウェー~ドイツ編)

~人を見る目で、旅を生き抜く~ です。

ぜひ写真付きのブログでお読みください。

(‘◇’)ゞ

 

【ノルウェーの森】

1986年8月20日

 

8月というのにもう夏が終わり、観光シーズンも終わったというスウェーデン。

客は僕一人という、ガラガラのKARLSKAGEのユースホステルで目を覚ました。

 

朝10時に出発しようと外にでたら、また雨だ!!

 

しかし、せっかく買ったルッカのレインウエアの威力をためそうと思い直して出発。

雨が降ったりやんだりの中を、ノルウェーのオスローに向かって、E18を時速100㎞でクルージング。

 

新しいレインウエアの性能はパーフェクト!

前のカッパだったら今頃はパンツまでビッショリだったのに、

濡れずに快適!

スウェーデンとノルウェーの国境あたりには、

深い森と、沢山の湖があってとても美しい。

湖には小さなボートが浮かび、

赤い家に白い窓枠の可愛い家が並ぶビューティフルプレイスだ。

 

国境を越えてノルウェーに入ると、とても良い天気に変わり、

森を駆け抜けるワインディングロードでのツーリングを楽しめた。

 

オスローの中央駅に着いたら、もう16時30分を回っていた。

赤い革ジャンを着てヒマそうにガードレールに座っている女の子に、

デンマーク行のフェリー乗り場を聞いてみた。

しばらくしてやっと言葉が通じて(通じたように感じて)

フェリー乗り場に行くことができた。

 

 

【イタリア人と同盟!酔っぱらいから防衛!】

 

このフェリーを使えば、ノルウェーのオスローを夕方出発し、

寝ている間に国境を越えて、

朝にはデンマークのフレデリックスヘブンに到着できる。

 

フェリーでは自分のバイクは自分で固定しなければならなかった。

固定用のロープは、油で真っ黒!

自分の手も油で真っ黒になってしまったが、バイクを守るためだから仕方がない。

 

フェリーの二等客室で出会ったのが、イタリア人のフォスコ。

会話を交わし、信頼できる人物だと直観的にピンときた。

フェリーの中でのお互いの安全を確保するためにも、一緒に過ごすことにした。

 

フォスコは、イタリアでトラックドライバーをしている29歳の青年。

週のうち3日は24時間ぶっとおしでドライブして、あとの4日はホリデーなのだと。

さらに、夏は約1か月のホリデーがとれるのだ。

今回はノルウェーのフィヨルドを満喫してきたそうだ。

 

フォスコによると、ノルウェーでは、ずっとまあまあの天気だったという。

僕は、スウェーデンでずっと雨に悩まされていたので、羨ましい!

スウェーデンとノルウェーの国境は山の尾根のような感じだったので、

そこを境に天気が違ったのかもしれない・・・。

 

だったら、もっとノルウェーをツーリングしたかったなと、

ちょっぴり後ろ髪を引かれたが、夏が終わった北欧は寒い!

やっぱり決めたとおり、南下して南欧に行くのがベストだ。

 

フェリーからの風景を撮影しようとデッキに出ると、

美しい夕陽と、ノルウェーの海辺の街の景色が見える。

そしてカモメがたくさんフェリーについてくる。

誰かがパンを投げると、カモメが上手にキャッチしている!

 

フォスコと僕もパンを投げてみた。

カモメがキャッチし損ねても、

海に落ちたパンを拾って戻ってくるというガッツを見せてくれるので、

つい調子にのってパンを4枚分も投げてしまった。

((+_+))もったいなかった・・・

フェリーの2等客室の中で、寝ようとしていると

酔っぱらって騒いでいたノルウェーの若者が絡んできた。

僕がベッドメイキングして確保していたサマーベッドに、

ドンと座って訳の分からないノルウェー語で絡んでくる。

コイツはヤバいかなーと思いつつ「これは僕のベッドだよ」と言い返していたら、

その若者の仲間が、彼を引っ張って連れていってくれた。

 

「ヤーパン!ヤーパン」と日本人の僕に悪口をいっているようだったが、

何を言っているのかわからないので腹も立たないし、

安全第一で無視を決め込んでいた。

 

そうこうしているうちに、

ダンスフロアに遊びに行っていたイタリア人のフォスコが、

ビールを買って戻ってきてくれた。

同盟国から援軍が駆けつけてくれたような気分だ!

 

フォスコは、とても親切に「船に酔わないか?」

「ビールはどうだ?」と声をかけてくれる。

仲間が戻ってきて、やっと安心して眠ることができた。

 

 

【ドイツでガマンのツーリング】

1986年8月21日(デンマーク~ドイツ・ハンブルグ)

早朝デンマークに入港、今日は南へ向けての移動日と決めて、

高速道路を南下し、ドイツを目指した。高速道路でのバイク走行はがまん大会だ。

眠くなったらパーキングの芝生で休みながら、ひたすらハンブルグを目指した。

 

大都会のハンブルグでは、やはり道に迷ってしまった。

道を聞いた人の運にも恵まれず、22時にやっとユースホステルにたどり着いた。

 

1986年8月22日 雨のち曇り

生真面目なドイツのユースホステルの朝食は朝8時。

9時にはチェックアウトして出発だ。今日も南欧に向けての移動日と割り切った。

 

雨の中、アウトバーン№1に乗りっぱなしで、ケルンを目指し走り続けた。

午後5時にケルンのユースホステルに到着。

そろそろ気に入った場所を見つけて、連泊して身体を休めたい気分だ。

 

【初めての海外ツーリング仲間は…ドイツ人】

1986年8月23日 雨のち曇り時々晴れ

 

今朝も、生真面目なドイツのユースホステルで、

チェックアウトタイムに追い立てられるようにして出発!

 

雨のパラつく中を、ケルンの南街をゆっくりとバイクで流してみた。

ライン川の橋の上から見るケルンの街並みは、

4~5階建ての建物がみんな三角屋根で、とても良い雰囲気だ。

やっと高速道路での移動を終わって、一般道R9を使ってライン川沿いに南下。

 

途中でHONDAのチョッパータイプのバイクCM400Tとピースサインを交わし、

しばらく一緒に走った。

すると天気も良くなってきて、今度は「グーサイン」を交わした。

コブレンツに着くころ、向こうから「ジェスチャー」で

「何か飲もう」と珈琲を飲むような合図を送ってくる。

彼の名は、ペイターヴォリーニ。ポーランド生まれの22歳のドイツ人だ。

一緒にローレライまでツーリングすることにした。

 

ローレライに着いたら、キャンプ道具を積んだバイクがいっぱい!

今日はこの街で、ジョーコッカーや、マンフレッドマンが出演する野外ライブが開催されるらしい。

 

ライブ会場でドイツ人たちが飲んで騒いて楽しんでいる。

そんな輪に入っても安心なのは、気の良いドイツ人ライダーのペイターと一緒だからだ。

せっかくの野外ライブだったが、チケットは55マルク(約4200円)と高いし、

天気もイマイチだったので、ローレライの絶壁の風景だけ楽しんで、

コブレンツに戻ることにした。

 

モーゼル河沿いのペンション、1泊朝食付きで25マルクとお得!

何といってもバイクをガレージに入れてくれるので安心。

 

シャワーを浴びて、ペイターと二人で村へ繰り出す。

「リンド」という店でトンカツ風の料理と地ビールを楽しんだ。

 

ペイターの話では、ドイツには徴兵制度があって、15カ月行かなければならない。

それが嫌なら、20ヶ月の社会サービス(老人のお世話等)を選ぶこともできるそうだ。(1986年当時の話)

 

ペイターは平和主義者なので、5ヶ月間の兵役のあと、社会サービスを選び直したそうだ。

兵役のない日本や、他のヨーロッパの国が、とても羨ましいと言っていた。

 

東西に分けられたベルリンの壁や、長崎の原爆資料館の話、

各国の兵器保有について話しながら、お互いの将来の心配をしてしまった。

 

ペイターはプログレシヴロック(ジェネシス・ピンクフロイド)とレゲエが大好き。

数週間前にギターを習い始めたそうだ。

アメリカンバイク「ハーレー」と、

「フランス」が大好きだという気のいいドイツ人だ。

 

明日は、隣国フランスに入国するところまで、一緒に行くことになった。

ペイターは初めてのオートバイ仲間。

「お互いに得意ではない英語で話しながらも、

ちゃんと理解しあえるんだからNo Problemだね」と言ってくれた。

 

人を見る目で、旅を生き抜く。そんな自信が少しついてきた。

 

 

To Be Continued (‘◇’)ゞ

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