

去る2025年4月19日、得難い貴重な講演を聴きました。
講師は、高校野球界の名将・吉田洸二監督です。
清峰高校時代、そして現在の山梨学院高校でも監督として手腕をふるい、
両校で甲子園に18回出場。しかも両校で全国優勝という、まさに伝説の指導者。
そのスピーチは、子どもたちにも大人にも刺さる、深い学びにあふれていました。
清峰高校野球部の生徒さんたちと一緒に、熱い講演に聴き惚れました。
今回のテーマは、
【吉田洸二監督が語る「成長の本質」】です。
ぜひ、お読みください!
(‘◇’)ゞ
■「今起きていることは、すべて自分がオーダーしたこと。」
講演会では、大人たちに交じって、
野球部のユニフォームを着た丸坊主の子たちがずらりと並び、監督の言葉を真剣なまなざしで聞いている姿が印象的でした。
吉田監督のスピーチのテーマは――
「今起きていることは、すべて自分がオーダーしたこと。」
「今うまくいっているなら」それは過去に自分がいい種をまいていたから。
逆に、「今つまずいているなら」それもまた過去の自分がオーダーしたこと。
つまり、現在起こっていることは、過去に自分が注文したことであり、
過去に自分が行った事が、今の結果を導いているという事。
今の結果を誰かのせいにせず、自分ごととして受け止めていく――。
そんな強いメッセージでした。
■経験に裏打ちされた説得力
吉田監督は、目の前にいる清峰高校の生徒たちに対して、その言葉を真正面からぶつけていました。
「君たちは誇りを持って、清峰高校のユニフォームを着ているか?」
「それとも“昔強かった高校の野球部”と思われて、どこか後ろめたさを感じているか?」
生徒たちに問いかけるその姿は、まさに“本気”。
ある生徒が正直に「今は“昔強かった高校”と思われていると思います」と答えると、
監督はそれをしっかり受け止めたうえで、そこから這い上がる方法を語りはじめました。
たとえば、ピッチャーの練習についての話。
筋トレを重視する派と、柔軟性を重視する派、両極端な指導があり、指導者によって、「どちらかに偏っている」場合がとても多いそうです。
しかし、実は「どちらも必要」なんだと。
「筋力」がなければスピードは出ない。
でも、「柔軟性」がなければケガするし、やはりスピードも出ない。
「今、うちのピッチャーは8人全員、140km出してる。ちゃんとやれば出る。」
そう言い切る監督の言葉には、経験に裏打ちされた説得力がありました。
■本気で向き合うから、子ども達は変わる
吉田監督が、清峰高校の野球部を引き受けたばかりのころは、部員8人。
金髪、茶髪、ドクロのTシャツの生徒―とんでもないスタートラインだったそうです。
でも、監督が本気で向き合うと、子どもたちもそれに応える。
次の日には全員が丸坊主になり、そこからチームは生まれ変わっていきました。
■「頭が良い掛け算タイプと、そうではない足し算タイプ」
さらに面白かったのは「教え方」に対する考え方。
子どもには2タイプいる。
一つは、頭が良くて“掛け算”で一気に伸びる子。
もう一つは、そうではなくて“足し算”で一歩ずつ進む子。
そして意外なことに、プロで大成するのは後者のほうが多いのだそうです。
掛け算タイプは東京六大学には行けるけど、その先に行くには、積み重ねが足りず、そこまでとなる場合が多い。
一方、足し算タイプは地道にやる力があるから、プロに入ってからも伸びていく。
「才能に奢らず、とにかく基礎を地道に徹底的に練習」する。
これって、野球に限らず人生にも言えることだなあと、深くうなずいてしまいました。
最後に監督が語ってくれたのは、
「天才は、地道な努力すらもちゃんとやる」という話。
大谷翔平選手も、実は高校時代に吉田監督と接点があったそうです!
あの圧倒的な才能の裏にある“地道さ”に触れたとき、やっぱり世界で戦って一流になる選手は違うなと実感したそうです。
今回のスピーチ、青少年のため、子どもたちのための時間ではありましたが、
私たち大人にとっても、気づきに満ちた学びの時間でした。
吉田監督、本当にありがとうございました。
※今回の講演会は、2025年4月19日、北松浦ロータリークラブがホストをつとめて開催された、国際ロータリー第2740地区「第5グループ インターシティミーティング」の青少年奉仕プログラムとして開催されたものです。