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海外バイクツーリング冒険記アフリカ編9 『この旅最大のピンチ@サハラ砂漠』

先週の金曜日、佐世保市立宮中学校を訪問して、

昨年、弊社SK-I Corporationに職場体験に来てくれたT君と、

今年、職場体験に来られたNさんと再会してきました!

 

真剣に授業にむかうNさんや、

生徒会の役員としてテキパキと会場の世話役を務めるT君の姿を見て、

感動してしまいました。

 

その日は、宮中学校の授業研究発表に加えて、

生徒会の様子も見学させてもらえるという貴重な機会だったのです。

 

生徒会は、体育館一杯に大きく設営した会場で、

周りを取り囲んで見学する大人たちの前で、

生徒たちの力で、運営されていました。

 

テーマは「家庭学習の質を上げる」こと、

そして「スマホのルールを自ら考える」こと。

生徒会を自主的に運営する、子ども達の姿を見て、

これが「自分自身のスイッチ」が入って、

主体性をもって行動する姿だと感心。

 

この子達が切り開いていく未来は、きっと明るいという、

確信と希望を持たせてくれました。

 

さて、今回のテーマは、

海外バイクツーリング冒険記アフリカ編9

『この旅最大のピンチ@サハラ砂漠』

ぜひ、お読みください。

 

(‘◇’)ゞ

 

(この冒険記は1986年当時の日記とアルバムを基にした書き起こしです)

 

1986年9月26日金曜日(晴れ・酷暑)

 

【砂漠で修理するということは…】

サハラ砂漠に張ったテントで、無事に目を覚ました。

テントを片付けていると、ラクダとロバを引いた子どもと遭遇。

重い荷物を積む前に、砂漠を思いっきり走ってみた。

今日も僕の愛車YAMAHA XT350号は快調だ!

 

今日も、サハラ砂漠の北部のオフロードを冒険ツーリング。

BIR SULTANE(ビアスルタン)を経由して、

DOUZ(ドウズ)へ向かう計画だ。

 

朝一番に出発しようとした時、なんと、

リヨネラのBMWのエンジンが止まってしまった。

プラグが点火しないようのだ。

しかし、幸運なことに、

ランドローバーで来ていたグループが、ヒューズを持っていて、

それを分けてもらったおかげで復活することができた。

 

それにしても暑い。

ホテルのあるオアシスKSAR GHILANEを出てしまうと、

この辺りには全く木が生えておらず日陰が無い。

直射日光がどんどん身体の水分を奪っていく。

 

午前中は、昨夜やっと通り抜けたコースを引き返して、ビアスルタンへ向かった。

とても酷い洗濯板のようなWASH BOAD ROADだ。

 

今まで9700㎞走って、全くNO PROBLEMだった僕のYAMAHA XT350号も、

とうとうバンクしてしまった。

 

全く日陰の無いサハラ砂漠で、パンク修理。

汗まみれ、砂まみれ。

手伝ってくれるリヨネラもロゴンスも、汗まみれ&砂まみれだ。

砂がどんどん飛んでくるので、パンクしたチューブの穴を

パッチで塞ぐのは、とても難しい。

そこで用意しておいた新品のチューブに交換することにした。

 

バイクの至るところ、いろんな部品が砂だらけだ。

 

こんな砂漠で部品をなくしたら大変なので、

砂を手で払い落とすにも、細心の注意が必要だ。

 

ここチュニジアでもしバイク屋さんを見つけても、

50㏄のフランス製プジョーとモトベカンヌといった原付しか輸入されていない。

だから、僕のバイクも、リヨネラのBMWにも、

新品のパーツを用意することはほぼ不可能だ。

 

パンク修理中のムチャクチャな暑さで、

ロゴンスも僕も少しバテてしまった。

 

【魔法のような水筒の話】

マルセイユで買った「皮の水筒」が、ここに来て素晴らしく役に立った。

この水筒のキャップの部分は、細く設計されていて、

皮の胴体を押すと、少しずつの水が、勢いよく出てくるのだ。

だから、口をつけずに飲めるので衛生的だし、

少量の水で、喉を潤すことができる。

 

もし、普通のポリタンクや、水筒だったら、

あっという間に水は無くなってしまうだろうし、

必要以上の水を胃で持て余してしまい、身体に良くないと思う。

砂漠の民の知恵が詰まった魔法のような水筒だ。

 

 

【オアシスのような砂漠の一軒家】

やっとパンク修理を終えたら、とてもお腹が空いてきた。

 

地平線のように見える遠い丘の上に、数本の木が見える。

そこまで行って、朝食兼昼食にしようということになった。

 

辿り着いてみると、そこは砂漠の中の一軒家。

なんと人が住む家だった。

 

だけど、ここに着いた時には、リヨネラもロゴンスも僕も、

暑さと空腹で、異常をきたすほど疲れていたので、

リヨネラが「ここの木陰で食事をさせてくれないか?」と

家の主に頼みに行ってくれた。

 

すると、木陰を貸してくれるどころか、

涼しい家の中に招き入れてくれた上に、パンク修理で汚れた僕らの手をみて

貴重な水で、みんなの手や顔を洗わせてくれたのだ。

なんと、石鹸まで、倉庫から出してくれた。

彼の名は、ナセール・マブルック。

一緒に食事をしながら話していると、親切にお皿も使わせてくれて、

なんとデザートにと大きなメロンを出してくれたのだ。

 

僕らの食事は、砂漠で乾燥して固くなったパンと、

オイルサーディンの缶詰と水だけ。

ここで食べたメロンの味は、一生忘れられない。

疲れて火照った身体を、本当にリフレッシュしてくれた。

しばらく部屋で横になって休ませてもらい、

ナセールとみんなで、記念写真を撮ってから

「ボン・ボヤージュ」と名残惜しみつつ出発した。

ここを出発した時には、もう午後になっていた。

ロゴンスの提案で、ビアスルタンには寄らずに、

直接ドウズに向かって、なんと「ホテルのプールで泳ごう!」という話になった。

とにかく、今の僕らにはプールは夢なのだ。

 

この時点では、この先にまだまだとんでもないピンチが待っていようとは、

思ってもいなかった・・・

 

To be continued

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