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アブナイ商標権の罠

商売繁盛に欠かせないのが、
商品の魅力を力強く印象付ける「商品名」。

そして、もちろんそれと同時に大切なのが、
同時にPRしてブランド化する「商号・社名」です。

商品名や商号を特許庁に登録すると、
「登録商標」として守られますが、
中小企業では「登録」せずに、
そのまま使っているケースも多いそうです。

貴方の会社の商品はいかがですか?登録はお済みでしょうか?

例えば の話です。
あなたが、あなたの会社の商品を、
商標登録をしないまま7年間販売し続けて、
人気商品に育てていたとします。

ところが7年前、
御社が商品を発売すると同時に、
C社がチャッカリ名前を盗んで、
こっそり「商標登録」をしたとします。

そして
C社は、登録後7年間、御社が商品を
販売するのを黙ってみていました。

そう、あなたは、
7年間「泳がせられていた」のです。

ここで、クイズです。

もし、ここでC社があなたを商標権侵害で訴えたとしたら?
いったい、C社は、あなたに
どのくらいの請求ができるのでしょう?

利益の何%の額でしょうか。

お分かりでしょうか?

なんと、あなたは、
7年間に得た利益の「全額」を
支払わないとならないのです。

法律で決まっているのです。

これが「アブナイ商標の罠」です。

ちなみに「商標」は「先願が勝ち」とされているので、
審査は「オリジナルは誰かということではなく」、
「先に登録」したものの勝ちなのです。

先日、佐世保商工会議所で開催された
「意匠権・商標権・不正競争防止法」セミナーでは、
国内の紛争事例、海外の紛争事例などをあげて、
わかり易く解説していただきました。

ちなみに、「商標権」は、一度登録すると10年間有効ですが、
10年毎に更新手続きをすると、
「永遠に更新し続けられる」のです。

それに対して、「特許権」は、20年で切れる。

工業製品のデザインなどの権利「意匠権」も20年で切れるのです。

ちなみに今回のセミナーで、一番印象的だったのは、
「商標権」は、申請しても独自性が認められなかったり
することが多いということ。
そして「産地名入りの商標権」など、
他との識別力に乏しいとされ、
識別が難しいとの判断で却下されることも多いということです。

しかし、ここからが「専門家・弁理士」の出番。

そうやって、一度は断られた「商標」に、
「反論」を行ったり、
「図形化」(ロゴタイプデザイン化)したりして、
何と一度拒否された「商標」を、
80%の確率で逆転して「商標登録」を実現しているそうです。

実現例として示されたモノには、
具体的な地名が含まれる事例も多く、一度は却下されているそうです。
しかし、弁理士は、
それらに対しても、図形化(ロゴタイプ化)などの対策を持って反論し、
認定に持ち込んでいるのです。

さらに、重要なのが、
アジアへの進出など、
海外展開を志す皆様へのアドバイスでした。

アジアのC国などには、
海外のブランドを
どんどん勝手に自分のもののように
登録してしまう人がいるそうです。

販売についての商談をすませ
いざ、進出しようとしたら、
その国では、自社名や自分の大切な商品名は、
勝手に別の人に登録されてしまっている…
ということになっている事も多いそうです。

ちなみに、今年平成27年度からの法改正で、
商標権が保護するものの範囲が増えています。

これまでの図形・文字に加えて、
動きのある「商標」、
「ホログラム商標」「色彩のみからなる商標」
「サウンドロゴ(音商標)」など、
様々な形で登録できるようになりました。

さて、いよいよ御社の「商品」「サービス名」
「社名」を登録しようと思ったら、まずは、
他社商標の調査が必要です。

これは、特許庁のホームページで、無料で調べられます。

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage

ちなみに、テストで「おそうじ象さん」という勝手につけた
商品名を検索したら、なにも引っかかりませんでした。
まだ、商標登録されていないという事です。

可愛い象の顔のイラストが描かれた
ルンバのようなお掃除ロボット!作ったらヒットしないかな?

あっしまった、ここで公表したら、あっと言う間に
誰かに登録されてしまいそうですね(笑)

ちなみに、「ならでわ」は登録商標として登録済みです。
更新を忘れないようにしないといけませんね。

本日も、お読みいただきありがとうございました!!

 

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