「不定期連載」の海外バイクツーリング冒険記…
…しばらくぶりに「連載」の続きをお届けします(笑)
(この冒険記は1986年当時の日記とアルバムを基にした書き起こしです)
今回はドイツ→ルクセンブルグを通過して、フランス~スイス旅編です。
夢だった海外の山岳オフロードを巡る旅。
いよいよヨーロッパアルプスの山巡りがスタートします。
今回のテーマは、
海外バイクツーリング冒険記(フランス~スイス編)
~フランス人に親切にしてもらえる魔法~
ぜひ、お読みください!
(‘◇’)ゞ
【ペイターとの別れ、単独山岳ツーリングに挑戦】
◆8月24日(日)◆雨
ドイツのコブレンツ近くの村を出発。雨のためあまり進めない。
初めて長時間一緒に行動したドイツ人ライダーのペイターは、
雨に参ってしまい、彼女の待つ家に帰ることにしたので、
ここで別れることになった。
僕も雨に参った身体を休めるために、
まだ午後2時半だったが、
早めにルクセンブルグとの国境に近いドイツの街
TRIER(トリーア)の宿にチェックインした。
※実はこの宿の写真は、この場所かどうか定かではありませんm(__)m
◆8月25日(月)◆くもり→晴れ
昼前にゆっくり出発して、ルクセンブルグに入国。
モーゼル川添いの、ブドウ畑と土づくりの家の素朴な美しい街を通って、
フランスを目指した。
ABRESCH VILLERを抜けて、標高1009メートルのDOMONという街についたが、
いたるところにある林道の入口には、
「1975年以来、自動車バイク通行禁止」の標識が立っている。
林道ツーリングはあきらめて
「GRANDFONTAINE」のユースホステル(AJ)にチェックイン。
◆8月26日(火)◆晴れ→雨→くもり時々晴れ→雨
フランスのアルザス地方にて、オフロードを求めて単独バイクで走り回る。
やっと通行止めでない林道に出会い、
約20キロにわたって赤土のアルザスのオフロードを楽しんだ。
【フランス人と仲良くなる魔法】
フランス人は、本当に英語は得意ではないようだ。
フランスの田舎では特にそうだ。英語で話しかけても、避けられてしまう。
しかし、笑顔で、「ボンジュール」とフランス語で挨拶するだけで、
魔法がかかったかのように、フランス人が笑顔を返してくれて、
親切にしてくれるようになった!
僕の下手な発音の「ボンジュール」と聞いたフランス人は、
スイッチが入ったように、
安心して下手な発音の「英語」を使ってくれるようになってくれる。
名付けて「ボンジュール&スマイル作戦」で、
英語のあまり通じない田舎の宿でも、親切にしてもらえるようになり、
僕の旅はバージョンアップした。
◆8月27日(水)◆くもり/雨
8月というのに、とても寒い。
アルザスの山岳地方だから寒いのだ。
大きな林道走っていると、目の前に鹿!!
ピョン、ピョンと鹿が3頭続けて道路を横断してきた。
山の上の登山道の交差したところで、記念写真を撮影していたら
なんとフランス軍の兵隊が5人やってきた。
少し緊張しながら「ボンジュール」と笑顔を作って挨拶したら、
フランス兵も笑みと「ボンジュール」を返してくれた。
「道に迷っていないのか」と心配してくれたようだ。
フランス語はわからないが、
「ツーリスタ・ロスト?」という言葉は聞こえてきた。
とにかく、「ボンジュール&スマイル作戦」は兵隊さんにも有効だ!
その国の挨拶の言葉を覚えて、笑顔でコミュニケ―ションというのは、
このあと、どの国にいっても魔法のように有効だった。
フランスの林道で、現地の林業の人と出会っても、
「ボンジュール」と「メルシー」でトラブルなく通行させてもらえた。
【スイスとの国境の街「BIAUFOND」で日本人が経営するレストランに遭遇】
フランスからスイスとの国境にさしかかったところで、
素敵なことがあった。
国境でパスポートを見せると、国境警備兵の係官が、
「なんとかかんとかNAKAMURA…?」と、
湖の向こう岸に見えるレストランを指差している。
言葉はわからなかったが、
どうやらそこに日本人がいるらしいことが分かった。
向こう岸のレストランまで行ってみると、
「RESTAURANT DE BIAUFOND」のオーナーは中村さんという日本人だった。
さらに広島出身の上田君というコックさんも働いていた。
当時44歳のオーナーシェフ中村さんは、
20年前にスイスに来たのだが、最初はコックさんではなく
「何か新しいものを見つけよう」と思ってここに来たそうだ。
今は、16歳年下の28歳のスイス人の奥さんと結婚。
可愛い子供たちに恵まれて幸せに暮らしている。
「湖でとれるニジマスを使ったフランス料理」が
名物のお店だそうで大繁盛している。
僕は、スタッフのみなさんと一緒に、
ハムとサラダとラーメンのまかないご飯を
無料でご馳走になったので、
高級なニジマスは食べられませんでした(笑)
限られた予算で、バイクツーリングの長旅を続ける僕には、
とても有難い家族的なご飯のひと時でした。
こういう親切に出会うのも、
一人バイク旅ならではの醍醐味。
この日は、スイスに入国してNeuchatelのユースホステルに泊まった。
TO BE CONTINUED